電子マネーが急速に普及し、「『おつり』を知らない子供が増えている」といわれています。コロナ禍でさらに現金離れが加速する中、子供にお金について教える様々な取り組みが始まっています。
■お金を触りたくないから…コロナ禍で普及する電子マネーによる支払い
コロナ禍で「お金に触りたくない」と、電子マネーを使う人が増えています。
女性:
「最近、キャッシュレスを…。ポイントがたまるから」
男子高校生:
「ご飯買う時とかは、PayPay。お金触った後で食べるとかイヤなので」
別の女性:
「お金は不特定多数の人を渡ってきているので…」
女性:
「お金を触って計算するのが日常で減ってくるのは、すごく怖い世界だなと」
別の女性:
「現金って無くなっていくのが見えますけど、電子マネーだと自分でもあまり把握できないので…。子供たちがそれをできるかどうかは心配ですね」
親からはキャッシュレスの普及で、子供がお金について理解できなくなることを懸念する声も聞かれました。
【画像20枚で見る】子供にお金の教育を 未来を豊かにするキッズマネー教室にオンラインマネーセミナー
■お店の人になりきってお金の流れを体感…子供向けのマネー教育
愛知県一宮市にあるレンタルスペース「ママルシェ」では、「キッズマネースクール」が行われていました。
洋服屋さんに、おもちゃ屋さん…、一見、「お店さんごっこ」に見えますが、子供向けのマネー教育です。お店の人になりきって「働く」ことで、お金の流れを体感してもらうのが狙いです。
女の子:
「（おすすめは）この花とアジサイです。500円です」
男の子:
「むっちゃお金が増えてよかった」
同・女の子:
「お金の大切さを知りました」
参加した父親:
「私も、大人になってから（お金の）勉強することが多かったので、早いうちから知っておけばよかったなという思いがあって」
「お金のことを何も知らないでなく、きちんと金融教育を受けてから社会に出れば強く生きていける」。このキッズマネースクールを開催した主催者は、小さい頃からのマネー教育の大切さを説きます。
最近では、お金がどんなものか、わかりやすく解説した本も登場するなど、子供に対する金融教育のニーズは高まっています。
■子供のうちから学んでほしい…未来を豊かにする子供向けのマネーセミナー
去年から始まった「子供向けマネーセミナー」は、お金について学べるオンライン講座で、小学生と中学生の親子およそ200組が参加しました。
Geek養成塾の講師:
「投資が何か。簡単にいうと、お金を出して誰かに働いてもらって、その成果を受け取ること」
テーマは「投資」です。まるで予備校の授業のように見えますが、クイズ形式で子供たちの興味を引くように工夫されていました。イチから投資について学びたいという親子に人気です。
日本証券業協会が行った個人投資家への意識調査によると、「金融に関する教育を受けた」経験のある人は全体の9.9パーセント。82.7パーセントは「金融教育を受けていない」という回答でした。日本人の金融に関する知識は、世界的にみても乏しいといわれています。
講師の男性は、「子供たちには、10年後20年後を豊かにするお金の使い方を、今のうちから学んでほしい」と話します。
■投資は一番リアルな社会勉強…「ジュニアNISA」を開設し株を購入した中学生
セミナーを受けた生川さん親子。父親は、変化の激しい社会で息子に自分の力でお金を増やす力を身に付けてほしいと、親子で講座を受講しました。
お小遣い帳もつけている中学２年生の生川龍靖くんは、子供のための少額投資非課税制度「ジュニアNISA」の口座を開設したばかりです。
龍靖くん:
「今コロナで接触とかがダメになって、アスカネットっていう会社が空中ディスプレイを研究していて、伸びていくんじゃないかと思ったので…」
父親に教えてもらいながら、初めて株を購入しました。
龍靖くんの父親:
「色んな経済、社会の動きに興味が出てくると思うので、一番リアルに社会の勉強になるんじゃないかな…」
お金について学ぶことで、日常生活で無駄遣いすることも少なくなったといいます。
■頭の体操できるルービックキューブは『投資』…浪費か消費か投資かを選別しながら買い物
龍靖くんと母親の買い物に同行させてもらうと、「消費、浪費、投資」と何やら、親子でつぶやきながら買っています。
龍靖くん:
「『浪費』は自分が欲しいと思ったモノ。『消費』は必要なモノ、『投資』は将来役に立つモノを買う」
消費か、浪費か、投資か…。よく考えてからお小遣いを使うようにしていました。龍靖くんは、お菓子は今、欲しいモノなので『浪費』。ルービックキューブは将来、頭が良くなるかもしれないから『投資』として購入しました。
社会に出てから苦労をしないように…。子供へのマネー教育のニーズが高まっています。