愛知県清須市の清洲城の近くに、2021年2月に高級食パン専門店がオープンしました。一宮市で喫茶店を営む男性が、地元の清須を元気にしたいと開きました。

 すっきりと甘く、生のままでも美味しい食パンに、見た目ユニークな黒糖を使った真っ黒な食パンや、スイカ柄のパンまで…。バリエーション豊富なパンは地元で評判となっています。

■生のまま食べても美味しい…ふわふわモチモチの極上食パン

 愛知県清須市の街のシンボル、清洲城の近くに「尾張清洲 信長屋総本家本店」はあります。蔵のような店構えに、店内はお城のような雰囲気です。

【画像20枚で見る】そのままでもフワフワで美味しい 織田家の家紋が焼印された高級食パン

 看板商品は、「極上生食パン 殿」(864円)です。

女性客:
「フワフワですし、生のまま食べてもめちゃくちゃ美味しいです」

男性客:
「もう30本ぐらい買っているよ。パンはあまり好きじゃないけど、ここの食べて美味しかったので…」

 お店は生まれも育ちも清須の後藤優さんが開きました。後藤さんは、店の食パンを「清須の特産品にしたい」と話しています。

■和菓子で使われる材料を配合…織田家の家紋が焼印された「極上生食パン 殿」

 看板商品の「極上生食パン」には、和菓子でよく使われる和三盆糖と、カステラで使う純米飴が使われています。後藤さんが、名古屋市西区の円頓寺で和菓子屋を営む父親に相談したところ、この2つを勧められたといいます。

後藤さん:
「和三盆自体が上品な甘さのお砂糖なので、くどくない甘さにしています」

 オリジナルでブレンドした最高級の小麦粉に、和三盆糖と純米飴を加えた生地を手で成形していきます。機械を使いガス抜きすると、きめが細かくなり過ぎてふわふわ感を損なってしまうため、生地の中の空気が均等にならないように、あえて手でこねます。

 窯に入れて46分。焼きあがった食パンに、織田家の家紋を焼印して完成。割ってみると、いかにも柔らかそう…。ふわふわ・モチモチのすっきりとした甘みの食パンです。

■真っ黒な食パンやスイカ柄のパンまで…バリエーション豊富なユニークな商品

 個性的な真っ黒な「竹炭黒糖食パン 影武者」(1188円)もあります。“殿”という白い食パンに対し、黒いパンには、“影武者”と名付けました。

女性客:
「食べた後、歯が黒くなるかなと思ったんですけど…。そんなこともなくて、同じようにふわふわで、さっぱりして美味しいです」

男性客:
「“影武者“は遅がけに来ると無いの。今日はたまたまあったので、買って来ました」

 7月からは「すいかぱん」(999円・要予約)も始めました。四角いですが、柄や色合いはスイカそのもの。

緑の部分はメロンの果汁を加え、タネはチョコチップです。

■経営する喫茶店をコロナが直撃…経費圧縮のため食パンを自家製に切り替え

 後藤さんは、この店以外に喫茶店「ワイズカフェ一宮店」も経営していますが、コロナの影響で客足が減ったといいます。

 少しでも経費を圧縮するため、それまで仕入れていた食パンを自家製に切り替えようと考えました。

後藤さん:
「喫茶店もしながら、夜はパンの修業を知り合いの工場でさせていただいて…。目にクマが出来て、それでも頑張って(食パンが)仕上がりました」

 およそ3か月。理想の食パンを生み出した後藤さんは、清須の実家に専門店を作りました。仮に売れ残ったとしても、喫茶店で使うのでリスクが少ないと考えました。

■オープン初日に300人の行列…順調な船出に2号店と3号店も開店

 チラシを配って迎えたオープン当日は、予想以上の約300人の行列が…。しかし、用意していた食パンが足りず、200人ほどには販売することができませんでした。

後藤さん:
「(客から)『信長という名前を使ってるんだったら、もっとちゃんとしておけ』とおしかりを受けたり…」

 その後は、より多くの人に商品が行き届くよう、毎日朝早くから準備をしています。この店を軌道に乗せると、5月には一宮の喫茶店の中に2号店を出店。喫茶店で出すパンを全て店内で焼けるようにしました。

 モーニング激戦区の一宮だけに、終日ドリンク代だけでモーニングサービスが付きます。「ワイズカフェセット」は、小倉あんがトッピングされた自慢の食パンに、ゆで卵、カップスープ、野菜サラダ、ポテトサラダが付いて、アイスコーヒーの場合は420円でいただけます。

 喫茶店のピンチから始まった食パン作りがチャンスとなり、7月27日には瀬戸市に3号店も出店しました。

「喫茶店を守り、そして地元の清須も元気にしたい」と話す後藤さん。コロナに負けないよう、奮闘しています。

「尾張 清洲信長屋総本家本店」は、清洲城から南東へ徒歩約5分のところにあります。