20代、30代といった若い世代への新型コロナウイルスの感染拡大について、愛知県がんセンター病院の伊東直哉医師は、まだワクチン接種が若い世代まで行き届いていないことや、感染力の強い「デルタ株」が関係していることが一因ではないかとしています。

 8月8日までの1週間、愛知県で新型コロナ感染者に変異株の検査を実施したデータでは、年代別で20代・30代があわせて43.4%と割合が多くなっていて、デルタ株への置き換わりが進んでいると考えられます。

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 そのデルタ株の感染力について伊東医師によると、体内でのウイルス量が従来型より1000倍以上多くなり、周囲にまき散らすウイルス量が増えるのではないかと言われているということです。

 アメリカCDC=疾病対策センターの報告書では、デルタ株に感染すると感染者1人から平均で5人〜9人に感染するとしています。

 伊東医師は、ワクチン接種の進み具合にこうしたデルタ株の感染力の強さ、そこに若い層を中心としたコロナへの意識低下が、現在の爆発的増加の理由ではないかとしています。

 さらにデルタ株の影響で、若い世代でも重症化する人が増えているほか、軽症の人でも、脱毛、味覚や嗅覚の障害、疲労感、呼吸困難といった後遺症に悩まされている人もいるということです。