自民党の総裁選は候補者が乱立する様相ですが、全員がスタートラインに立てるとは限りません。

 出馬に必要な国会議員の推薦人20人を確保できているかについては、自ら派閥を率いる岸田さん、高市さんも最大派閥の細田派に強い影響力を持つ安倍前総理の支援を取り付け、20人を確保するめどが立っているということです。

 麻生派所属の河野さんは、派閥として推すことは固まっていませんが、派内の若手議員らからの待望論が強く、おそらく集まるだろうとみられています。

 石破さんはグループがありますが、所属する議員が20人に満たないため、他の派閥や無派閥議員の協力が必要になります。

 野田さんも、無派閥で20人の推薦人集めが課題になります。例えば二階派ですが、二階幹事長の代行として仕えたものの、総裁選での支持となると別の話かもしれません。

 自民党関係者からは「選挙も近い中、派閥単位でまとまるのは無理だ」という声も聞かれます。また、ある議員は「男性・女性とか、若手だからとかではなく、発信力がある人を選びたい」と話していました。

 女性候補では、今回は高市さんも出馬の意向です。政治信条にははっきりと違いがあり、高市さんは終戦の日に靖国参拝をしたり、夫婦別姓に慎重だったりと、保守・伝統に軸足を置いたタカ派の政治家です。

 野田さんは選択的夫婦別姓には以前から賛成の立場で、少子化対策などにも積極的です。自民党ではハト派の政治家と言えます。

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 総裁選を通じた政策論争が期待されます。