新型コロナウイルスのワクチン接種は進んでいますが、2回のワクチン接種後に陽性となる「ブレイクスルー感染」がどの程度いるのか、調べました。

 9月1日、名古屋市の河村たかし市長(72)がコロナに感染したことが判明。2回のワクチン接種後に感染した、いわゆる「ブレイクスルー感染」です。

 ワクチンを接種している人は増えているものの、その後、「ブレイクスルー感染」をする人は実際どのくらいいるのか、調べました。

 厚生労働省の専門家会議で9月1日に公表された、今年7月の1カ月間の感染者のデータでは、65歳以上でワクチンを2回接種し、「ブレイクスルー感染」した人は、全国で983人確認されました。そのうち12人が亡くなっていて、死亡率は1.22%でした。

 ワクチン未接種で感染した人は3289人で、そのうち93人が亡くなり、死亡率は2.83%でした。

 愛知県がんセンター病院の伊東先生によると、「ブレイクスルー感染」が起きる理由として以下の4つが考えられるといいます。

1.ワクチンの効果は100%ではない
2.接種で獲得できる免疫の強さには個人差がある
3.十分な免疫が持続する期間が短い可能性がある
4.ウイルスが変異すると効果が落ちる恐れがある

 伊東先生は「ワクチンの接種でリスクはゼロにはならない。ただ、感染予防効果があるのはもちろん、重症化・死亡リスクを格段に下げる効果がある。接種をしたうえで、引き続き感染対策をしてほしい」と話しています。

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