
コロナ禍の中で、自宅で食事をする機会が増え、手軽に簡単に作れる料理のニーズが高まっています。名古屋を代表するフレンチ「ラ・グランターブル ドゥ キタムラ」のシェフに、身近な食材を使って簡単でおいしいフレンチを作ってもらいました。すぐに使えるテクニック満載です。
■ミシュランガイド1つ星のシェフ直伝…一人前200円以下のもやし料理

ミシュランガイドで一つ星評価の「ラ・グランターブル ドゥ キタムラ」。北村竜二シェフは、多くの食通が認める、名古屋を代表するフレンチの達人です。
【画像20枚で見る】フレンチのシェフ直伝 1人前200円以下のもやし料理 レシピとプロの技

北村シェフに、家庭でも簡単に1人前を200円以下で作ることができる「もやしと鶏ささみのフレンチ仕立て」を教えてもらいました。“脇役”のイメージが強いもやしが、一流シェフの手によって“主役”になります。
北村シェフ:
「もやしをシンプルにソテーしたサラダ仕立て。ご飯にも合いますし、ワインのおつまみにもなる」

ご飯にもワインにも合うもやし料理。まず選んだ食材が、フランスでもよく使われるという大葉です。
北村シェフ:
「香り高い風味をもやしと一緒に合わせたいなと。大葉によって爽やかな仕上がりに…」

大葉の香りが、もやしのシャキシャキ感とよく合うといいます。さらにフレンチでもよく使うというクルミに生姜、そして鶏ささみを使います。
■鶏ささみは生姜と白ワインでマリネに…余熱で加熱ししっとりした食感へ

「もやしを使ったフレンチ」。まずは、下準備から。
北村シェフ:
「フレンチですので繊細っぽく…。(もやしの)両サイドを切ります。長さが揃っている方がきれい」

少し手間ですが、長さを揃えることで見た目にも美しく、口当たりもよくなるといいます。鶏ささみは、薄皮やスジをカットして下味を付けます。そこに生姜と白ワインでマリネにします。
北村シェフ:
「生姜でマリネすることによって風味を付けられますし、たんぱく質をやわらかくする作用もあります」

そして、マリネに沸騰させたお湯をかけます。お湯をそそぎ4分、ひっくり返してさらに4分加熱。

余熱で加熱することで、ささみはほのかなピンク色に…。しっとりとした食感に仕上がります。
■加熱後に急速冷却…もやしのシャキシャキ感を残すプロの技

続いてもやしを炒めていきます。まずは大葉を170度のオリーブオイルで素揚げし、オイルに香りを移します。

そして、そのオイルで鷹の爪ともやしを中火で軽く炒めていきます。お酢を加えると、味がまろやかになりご飯に合う味に…。

ここで、もやしの食感を残すプロの技。

ボウルに氷をはり、もやしを急速に冷やす。このひと手間で、もやしのシャキシャキ感が格段に上がるといいます。
■隠し味でフレンチ感アップ…刻んだクルミとタバスコで香り付け

ここから、よりフレンチ感をアップ。まずは、刻んだ大葉を加えることで爽やかさをプラス。そしてクルミも加えます。

北村シェフ:
「アーモンドでもピーナッツでもいいんですが、香り高くツブツブ感が出ていいんじゃないかと」

刻んだクルミで風味と食感がアップし、よりフレンチらしい味わいに変わります。そして、重要な隠し味が…。
北村シェフ:
「タバスコを数滴足すことによって、味がグッと引き締まる」

タバスコを数滴入れるだけで、味が引き締まった “フレンチもやし”へと変化。最後に、鶏ささみを和えれば完成です。
■もやしと鶏ささみが絶妙に絡む…大葉の香りが爽やかな「もやしと鶏ささみのフレンチ仕立て」

盛り付けにもプロの技が。高さを出すためにコーヒーカップに詰めたもやしと鶏ささみをお皿に返し盛り付け。最後に素揚げした大葉を乗せます。

「もやしと鶏ささみのフレンチ仕立て」。シャキシャキとしたもやしと鶏ささみが、クルミに相まって絶妙な食感に。まろやかなお酢とタバスコがもやしを高級フレンチに引き上げています。

フレンチシェフが作る大葉のアクセントが効いたもやし料理。一流だからこそできる、シンプルを極めた一皿です。