焼き物の街、愛知県常滑市で「まさかの和菓子」が売り切れ続出です。

 愛知県常滑市にある老舗和菓子店で今人気なのが、なんと便器の形をした最中。皮はもち米のみで作られ、便器の形になっています。

 便座をあげて、中に北海道産の小豆で作った「粒あん」をたっぷりと入れていただくと…。

【画像で見る】便器型もなか『トイレの最中(さいちゅう)』はこうして生まれた「代わりにあんこを」

(リポート)
「すごくおいしいです。見た目がアレなんでちょっと躊躇するんですけど、最中がサクサクであんがたっぷりで。すごくおいしい最中です」

 その名も『トイレの最中(さいちゅう)』324円。もはや遊び心旺盛という言葉では済まない商品。しかし、この日用意した150個は午前中で完売。

 便器の形をした和菓子が生まれた理由について、店主の稲葉さんは…。

稲葉さん:
「(常滑は)衛生陶器が重要な焼き物じゃないですか、そのお菓子を作りたいと。『あんことうんこって似てると思いません?うんこのかわりにあんこ入れる和菓子を作ってみたいんです』と言って。(INAXの当時の会長が)大笑いされて『ぜひともやりたまえ』と」

 常滑市といえば、戦後から便器など衛生陶器を作っている一大産地。

 そこで稲葉さんは「トイレ型の最中」を15年前に考案。しかし、見た目のイメージからクレームが殺到することを恐れ、実行する勇気はありませんでした。

 そんな中、転機が…。

稲葉さん:
「『LIXIL榎戸工場の工場見学に来た人に配るお土産を作りたいんだけど、そういうものってないですかね』と言われたんで」

 生産工場から依頼があったこと、そして「世間がこの手の話題に寛容になった」とみた稲葉さんは2021年、商品化に着手。構想から15年、ついにトイレ型和菓子が誕生したのです。

 ちなみに工場で作っている便器をモデルに、3D技術を駆使して寸分たがわず再現しています。

 7月に工場見学のお土産として渡し始めて大好評。8月にはINAXライブミュージアムの土産店で販売。

 9月には製造した和菓子店でも売り始め、いずれも連日完売の大人気に。

 すでに2万個近くのトイレ型最中がお客さんに納品されました。便器で常滑が湧いています。