名古屋市中村区にこの夏、富山のご当地スーパーが愛知に初出店しました。福井産の「甘エビ」に、金沢産の「ノドグロ」や「ハタハタ」など、毎日北陸から直送される日本海の新鮮な魚介類が並び、名古屋にいながらにして北陸の味が楽しめます。

■「珍しいのも全部おいしくて全然違います」…北陸の鮮魚が自慢のスーパー愛知初出店

 名古屋市中村区に、北陸を中心に60店舗以上展開するスーパー「アルビス」が出店しました。看板商品は、石川、富山、福井の北陸3県で水揚げされた鮮度抜群の鮮魚です。

【画像で見る】ノドグロにガスエビ…北陸の『ご当地スーパー』が愛知初出店 あふれる“北陸愛”

女性客:
「魚もたくさん種類があって目移りしちゃう」

別の女性客:
「お魚がいっぱい種類あって、珍しいのも全部おいしくて2回目来ました。全然違います」

「ノドグロの握り」や、「海鮮ちらし寿司」、「白エビの天ぷら」など、ここは北陸の味の宝庫です。

■毎日オープン1時間前に到着…北陸から直送されてくる「ノドグロ」などの海の幸

 富山の本社から来たトラックが、オープン1時間前の朝8時に店に到着。中身は、9月1日に解禁されたばかりの底引き網漁で獲れた鮮魚です。

 脂ののったノドグロや、赤い宝石とも呼ばれる福井の甘えびが、連日水揚げされています。

北陸3県各地の港から仕入れた魚をトラックに積み込み、オープン1時間前には店舗に届くように毎日運んでいます。

 他にも、巨大な「アンコウ」に「ゲンゲ」と呼ばれる深海魚、そして干物でお馴染みの「ホッケ」など、この日は約30種類を仕入れていました。底引き網漁が解禁になったばかりのこの時期は、一年でも魚の種類が最も豊富だといいます。

 店頭に並べられた「甘エビ」(15匹 430円)に「ハタハタ」(2匹 255円)、「メギス」(5匹 381円)。

高級魚「ノドグロ」は大きさにより異なりますが、1匹3000円前後で販売されていました。

激安というわけではありませんが、どれも魚のプロが目利きした自慢の品。ちなみにノドグロの特大サイズ1.3キロは、2万円で販売されていました。

女性客:
「ここはお魚がすごくいいのよ。ノドグロとかこの辺では見ないもんね。手を出したいけどノドグロ高い…」

男性客:
「釣りをやるので、アカムツとかノドグロ、すごい新鮮でおいしそうなのが並んでいる」

■見た目は悪いが味は極上…北陸以外では通常流通しない「ガスエビ」

 店長のオススメはその多くが地元で消費され、他の地域には流通しないという「ガスエビ」(刺身用 10匹627円)です。“見た目は悪いが味は極上”といわれる「ガスエビ」は、とろけるような甘さが特徴で、北陸では甘エビより人気があるともいわれています。

店長:
「ガスエビ、東海地方ではめったに刺身用は出回りません。まだ生きている位なので、頭とって冷蔵庫で一晩寝かすともっと甘くなる」

 店長自らが、ガスエビに馴染みのない名古屋のお客さんに説明。すると、次々に売れあっという間に完売しました。

鮮魚売り場の担当者:
「(真ホッケ)は、塩焼きか、おいしいのはフライ、フライはうまいですよ」

 深海魚の「ゲンゲ」(4匹380円)や「真ホッケ」(1匹322円)など、調理法に悩んでしまうお客さんには、対面販売で丁寧に説明。要望があれば下処理をしたり、調理法なども教えてくれます。

店長:
「北陸の良さを名古屋のお客様にお伝えするためにはお魚になりますので、よりいいものを、コスト度外視で直送便を設けてやっています」

 そこには、名古屋の人たちに北陸の良さを知ってもらいたいという郷土愛がありました。

■富山の名産「昆布パン」も…鮮魚だけでなく加工品も北陸の味が充実

 鮮魚だけではありません。昆布の消費量日本一の富山のメーカーが作る「昆布パン」(4個入173円)も人気です。

店長:
「富山の方にとっては、日々おやつ代わりに食べるようなパン。富山県人なら皆さんご存知」

 富山産の米粉を使い、たっぷりの昆布を入れて風味豊かに焼き上げました。昆布の塩気がいいアクセントとなる逸品です。

 昆布消費量1位の富山とあって、おぼろ昆布のサバ寿司「さば三昧」(322円)や、カジキマグロを昆布で巻いた「カジキ昆布じめ」(735円)など、様々な昆布を使ったメニューが揃います。

他にも、石川産のレンコンや、味噌にラーメン、スイーツなど北陸の味が充実しているとあって、皆さんたくさん購入して行きます。

男性客:
「よく福井、金沢、北陸の方に行っていて…。そういう魚があると聞いて来た」

女性客:
「北陸のものが多いので、地元のスーパーと差別化されている。違う県に行けない分、ここで贅沢してもいいかなって楽しさがあります」

 オープンしたばかりですが、早くも名古屋の人のハートを掴んだようです。

 店長は、「名古屋の方は割高な商品でも、自分たちの価値観に合うものについては購入して頂ける。冬には10万円の氷見ぶりなども並べる予定で、色々チャレンジしていきたい」と意気込んでいます。