愛知県弥富市の中学校で、男子生徒が包丁で刺され死亡した事件。これまでにも全国で、生徒が同級生らに殺傷される事件がありました。

 学校の安全対策は、2001年に大阪の池田小学校で児童8人が殺害された事件をきっかけに進められてきました。しかしそれは「学校に侵入する外部からの不審者」という視点です。

 今回事件が起きた弥富市の中学校でも、不審者の対応についてマニュアルを策定していましたが、生徒が刃物などを持ち込むことは想定していませんでした。

 1998年ごろにも、少年によるバタフライナイフなどの刃物を使った事件が相次ぎ、ナイフを持たせない取り組みがあったものの、学校に金属探知機を設置して身体検査をすることはなかなか現実的ではありません。

 そうした中、長崎県佐世保市で2004年、小学校で小学6年の女児が同級生にカッターナイフで殺害される事件があり、その後、市内の小中学校でははさみやカッターナイフ、それに彫刻刀などの刃物は担任が管理するようになりました。

 また月1回「整理整頓の日」を設け、机の中にいらないものや危険なものがないかを子供たち自身が確認しているといいます。これは担任がチェックするのではなく、子供がすることで「自分の持ち物を自己管理できるようにする」といった狙いがあるということです。