岐阜県の下呂温泉で長年愛されてきた無料の露天風呂が、12月1日から入浴禁止となります。その裏には相次ぐルール違反など、運用の見直しに踏み切らざるを得ない事情がありました。

 解放感抜群のロケーション。飛騨川のせせらぎをバックに温泉を堪能できる噴泉池です。

 日本三大名泉の一つ岐阜県の下呂温泉。温泉街の真っただ中に位置するこの場所は、40年前に開設されて以来、気軽に立ち寄れる下呂温泉の名物として親しまれてきました。しかし…。

【画像で見る】下呂温泉の名物『飛騨川大橋そばの噴泉池』12月から入浴禁止で“足湯”に

(リポート)
「下呂温泉の観光名所として知られる噴泉地。明日から足湯専用になります」

 多くの観光客が行き来する飛騨川大橋のすぐそばにあり、景観への配慮などから2010年には水着着用のルールが設けられましたが、幾度となく続くトラブルに、市は入浴禁止を決断しました。

下呂市観光商工部の担当者:
「これまでも時代の流れであるとか。どうしても開放的になって全裸で入るとか、トラブルや入り方の違いがあったものですから。(入浴禁止は)残念ではありますし、『残念だ』という言葉も聞いていますが、ここはひとつご理解いただきたいと」

 長年にわたり、地元の人や観光客に愛された露天風呂。下呂市が豪雨や台風などに襲われるたびに、川の増水で被害を受けましたが、その都度復旧し大切にされてきました。

 思いきりお湯に浸かることができる最後の日となった30日、名残惜しむ人の姿がみられました。

入浴に来た人:
「めちゃめちゃ気持ちいいです、温かくて」

「足湯に明日からなっちゃって悲しいので、最後に入りました」

「そりゃ残念やさ。下呂温泉には喝や」

「もっとずっとやってほしいとは思いますけど、時代の流れなのでね」