2021年も残りわずか、この時期に駆け込みで申し込みが増える「ふるさと納税」。これまで人気がなかった名古屋市がついに本気を出し、街の魅力を集めた返礼品に人気が集まっています。

 名古屋市内にある「ジュラシックアカデミー」オーナーの木澤大祐さん。「ジュラシック木澤」の名で30年にわたり活躍し、2021年の日本選手権でも表彰台に上った、ボディビル界にこの人ありというレジェンドです。

 そんな木澤さんが新たに始めたのが…。

ボディビルダーの木澤さん:
「名古屋市のアピールになるかなということでふるさと納税を。なんか面白いんじゃないのというところで、申請したら通ったので」

 2021年11月から名古屋市の「ふるさと納税」の一つに加わったのはパーソナルトレーニング。70分間、ジュラシック木澤さんに付きっ切りでトレーニングしてもらえます。

バーミキュラなど品数25倍に…名古屋市がふるさと納税『返礼品競争』本格参戦 税の流出今年度106億円か

 すでに30件ほどの申し込みが入り、その世界ではたちまち話題になった返礼品。

ボディビルダーの木澤さん:
「うちが名古屋市の名所みたいな、トレーニング界ではなっているところもあるので、返礼品で来ていただければ、来る方も更に増えていいのかなというところですね」

 しかしこれは、名古屋市の逆襲の一例にすぎません。

(リポート)
「ふるさと納税は自分が住む自治体には寄付はできませんが、リニューアルされた名古屋市のホームページを見てみると、名古屋の代名詞となる返礼品がずらりと並び、全国の人が見てもピンとくるものばかりです」

 これまで、関市の「包丁」や松阪市の「すき焼きセット」など、東海地方でも地域の特色を生かした魅力的な返礼品がある中、名古屋市は名古屋城の入場券や水道水など『?(はてな)』なものばかり。

 招いた結果が、今年度の税の流出額全国ワースト2位。その額は106億円にものぼり深刻な状況でした。

 そこで、2021年10月から返礼品を大幅リニューアル。ひつまぶしや手羽先など、「これぞ名古屋」というおよそ800点を追加したのです。

名古屋市役所資金課の担当者:
「半年間で(寄付額)2億円という見込みを立てていました。大変好評をいただいていまして、予定よりもはるかに多い金額が集まっています。年内には10億円に乗るといいなという勢いです」

 12月は年末の駆け込みもあり、1日あたり平均で2000万円ほどが集まっているといいます。

名古屋市役所資金課の担当者:
「年内に10億円到達したとしても、流出106億に比べればまだ1割でしかないが、そこは取った取られたではなくて、10億円分の魅力が発信できたという風に捉えています」

 注目を集める名古屋市の返礼品。中でも最も人気なのは、中川区のメーカー「愛知ドビー」が手掛けるバーミキュラのフライパンです。

 返礼品の申し込み数をランキングする「ふるさとチョイス」では、名古屋の返礼品の上位を占めています。

 その中に割って入ったのが、大人気の千種区覚王山の「弁才天」のフルーツ大福詰め合わせ。フルーツ大福人気の火付け役となったスイーツです。

名古屋市役所資金課の担当者:
「名古屋の魅力を全国に発信していく、ここはすごく大事だと思っていますので、『名古屋のふるさと納税面白いぞ』となるよう、ご意見をいただきながら頑張っていきます」

 名古屋市ではこれからさらに返礼品を増やす予定。「ナゴヤの逆襲」は始まったばかりです。