日本で暮らす私たちにとって、救急車を呼ぶ119番はいざという時に心強いシステムですが、今、新型コロナの感染拡大に加え、不要不急の通報で救急体制に影響が出ています。

 名古屋市の119番通報は年間およそ16万件ありますが、中には無用の通報もあり、迅速な対応の障害になっています。

 名古屋市で119番通報すると繋がる「消防局防災指令センター」。

 オペレーターが状況を聞き取り、最寄りの消防署に出動指令。常時45台の救急車が対応します。

 ここでは一刻も早く救急車や消防車を現場に到着させるため、素早く正確に場所の特定や、何が起きたのかを聞き取って指令を出すことが生死に関わります。

オペレーター:
「はい119番です。火事ですか、救急ですか」

男性:
「救急です」

オペレーター:
「救急車が向かう住所を教えて下さい」

男性:
「名古屋市緑区」

オペレーター:
「どうされました?」

男性:
「妻が朝からめまい・吐き気がして、今立ち上がれない状況です」

オペレーター:
「奥様のお歳はおいくつですか?」

男性:
「51歳」

オペレーター:
「意識は大丈夫ですか?」

男性:
「意識はあります」

オペレーター:
「救急隊が向かっていますので」

 名古屋市の通報件数は一日およそ450件。出動は一刻を争いますが…。

【画像で見る】名古屋市の119番はいたずら等が2割以上「救急車の要請ですか?」に通報者「違います」

オペレーター:
「はい、119番です。火事ですか?救急ですか?」

男性:
「もしもし」

オペレーター:
「119番ですが、救急車の要請ですか?」

男性:
「いや違います。今電話かけたら出なかったので」

オペレーター:
「どちらにお電話をかけたんですか?」

男性:
「ええっと…」

オペレーター:
「もう一回確かめてもらって電話を…」

 また別のケースでは…。

オペレーター:
「どうしたんですか?」

女性:
「サイレンを鳴らさずにちょっとお願いできますかね?」

オペレーター:
「申し訳ないです。走行中にサイレンは鳴りますのでご了承下さい」

 この日の取材中には無言電話も…。名古屋市の119番通報は年間およそ16万件ありますが、このうち、問い合わせやいたずらなどは2割以上を占めています。