昭和の時代に、独自のメロディのCMソングで有名だった「名古屋牛乳」。長年、宅配や学校給食などで親しまれてきた名古屋牛乳が、実は“名古屋で作られていない”というウワサが…。調べてみると、現在は名古屋以外で製造されていることがわかりました。

■ご年配の間ではお馴染み…独自のCMソングで有名だった「名古屋牛乳」

 名古屋の街で、「名古屋牛乳」について聞きました。

若い女性:
「初めて聞きました」

別の若い女性:
「知らないです」

 20~30代の若い世代は知らないとの回答。50代以上は…。

年配の女性:
「(飲んだことが)あります。給食」

年配の男性:
「シャチのマークでちゃんと歌もある。『シャチのマークの…飲んでるの!』」

別の年配の女性:
「昔のコマーシャル、『名古屋牛乳飲んでるの』」

 CMで記憶しているという人がたくさん。中には、こんな意見もありました。

女性:
「今って売っています?気にしてないからか…。見たことないような気がする」

【画像20枚で見る】昭和から親しまれる『名古屋牛乳』今は名古屋で作ってなかった 社長に真相を直撃


■販売はされているものの…元々製造していたメーカーは7年前に牛乳事業から撤退

 そもそも名古屋牛乳はまだ販売されているのか…。牛乳販売店へ行くと、瓶タイプと紙パックタイプの2種類が現在も販売されていました。店主に、“名古屋牛乳は名古屋で作られていない”という噂について聞いてみると…。

牛乳販売店の店主:
「今はそうです。製造をやめたのが、だいぶ前になりますけど…。残念ですけど」

 元々作っていた名古屋のメーカーが製造をやめてしまったとのこと…。今は、一体どこで製造されているのでしょうか。店主の娘さんに、元々作っていた「名古屋牛乳」の本社が今も名古屋市昭和区の御器所にあるとの情報をいただきました。

 早速、教えてもらった場所へ向かうと、地下鉄御器所駅のすぐ近くに「名古屋牛乳」と書かれた大きなビルが。このビルの中に「名古屋牛乳 株式会社」はありました。社長に真相を確認します。

名古屋牛乳の平井武敏社長:
「もう今は製造をやめました。昭和50年くらいからスーパーが登場してきて不採算。儲からないのが続いて…」

「名古屋牛乳 株式会社」の歴史は古く、設立は昭和16年。宅配や学校給食を中心に、長年名古屋で大きなシェアを占めていたといいます。

 しかし、地域の牛乳が専門の販売店で売られる時代から、全国の商品がスーパーに集まる時代へと変化した昭和50年以降、飲まれる量が徐々に減少。採算の面などから平成26年に乳業事業から撤退しました。

■名古屋では『名古屋牛乳愛』がすごく強い…大阪で製造も名前とパッケージはそのままで販売

 では、現在販売されている名古屋牛乳は、一体どこで作っているのでしょうか。

平井社長:
「大阪ですね。毎日牛乳さんの社長さんと親しかったのでお願いしたら、うちの販売店を全部引き受けてもらえて…」

 現在は大阪で製造されている事が判明。実際に製造現場を見るために、大阪府和泉市にある「毎日牛乳」へ。工場を見せてもらうと、確かに名古屋牛乳が製造されていました。

 現在製造されている名古屋牛乳は、紙パックタイプと瓶タイプの2種類。発送先は名古屋方面で、販売所のほか病院などにも卸しているといいます。しかし、なぜ大阪で製造しているのに、名前が“名古屋牛乳”のままなのでしょうか。

毎日牛乳の担当者:
「受け継ぐ時に、当初は『毎日牛乳』を予定していたんですけど、名古屋では『名古屋(牛乳)愛』がすごく強いということで…」

 担当者によると、最初は自社ブランドの「毎日牛乳」へ変更し販売する予定も、名古屋の人たちの名古屋牛乳への強い愛着を知り、パッケージも名前もそのままで受け継ぐ形になったといいます。

「名古屋牛乳は実は、名古屋で作られていない」という噂を調べてみると、現在は大阪で製造されているものの、名古屋牛乳に長年慣れ親しんだ名古屋の人たちのために、名前やパッケージはそのままで販売しているということが分かりました。

 ちなみに、牛乳事業を手放した「名古屋牛乳 株式会社」は、現在昭和42年に発売した「ローヤルトップ」という炭酸飲料1本で営業を続けています。

この商品は最近、月刊アクションに掲載されている「シキザクラ」というマンガに登場し、若者たちを中心に話題となっているということです。