新型コロナの第6波では、中等症・重症の患者がこれまでの波と比べ減ってきています。

 愛知県がまとめた資料では、10日現在で確認されている感染者1540人のうち、およそ97.3%が咳や発熱、倦怠感などがある軽症と無症状の患者です。

 酸素吸入をしたり、肺炎の症状が確認されたりした中等症はおよそ2.7%。人工呼吸器などでの治療が必要な重症患者は1人と、0.1%にも満たない数字です。

 これまでと比べると、2020年2月からの第1波の時には重症・中等症の人が感染者のうちの32%を占めていて、去年7月からの第5波では5%ほどでした。

 現在の第6波はそれよりも減って2.7%ほどなので、減少傾向がみてとれます。

 なぜ減少しているのかというと、一つがワクチン普及の効果とみられています。アメリカの疾病対策センターによると、重症化の予防効果は接種完了から4カ月経過後もモデルナ社製で91%、ファイザー社は77%の効果が保たれるとされています。

 重症者が減る一方で気になるデータもあります。2度のワクチン接種を終えていても新型コロナに感染してしまう、ブレイクスルー感染が多発しているのです。

 愛知県では、オミクロン株が確認されて以降の新型コロナ感染者74人を調べたところ、うち67人、実に9割の人が2度のワクチン接種を済ませていたというデータもあります。



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 なぜブレイクスルー感染が増えているのかというと、理由はワクチンの性質。海外の治験などでは、ワクチンは接種後4カ月以降、重症化の予防効果は保たれますが、発症の予防効果は弱まっていくとされています。

 愛知県の大村知事も「抗体が切れているということではないか」として、3回目接種の前倒しの重要性を訴えています。