愛知県では2月から、64歳以下の人にも2回目からの接種間隔を6か月に前倒した3回目接種が始まりました。3回目接種ではワクチンの種類によってその予約の埋まり具合に差が生じています。

 名古屋市に2月2日に開設された、3回目接種の臨時予約受付会場。インターネットの操作に慣れていない高齢者などの予約を、スタッフが代行するサービスです。

70代女性:
「きのう接種券がきたんですよ。教えていただいた方が早いかなと思って。やっぱり安心感がありますね」

 愛知県豊山町の県営名古屋空港の大規模接種会場でも、2月から接種間隔が6か月に前倒しとなった64歳以下の接種が始まり、若い人の姿も見られました。

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30代男性:
「仕事の関係もあって、周りにうつしちゃいけないなと思って」

60代女性:
「こちらで早く受けられるということで来ました。最近すごく流行ってきているので」

 1日1000人規模の空港会場の予約率は、2月3日は99.8%。500人規模の藤田医科大学会場も3日の予約率は100%となっています。

 政府が当初1月中に3回目接種を終える目標としていたのは、全国で1470万人。しかし、2月1日時点で448万人と目標の3割にとどまっています。

 6か月に前倒しの判断が遅れたことで、自治体からの接種券発送が追い付いていないことが指摘されていますが、要因はもう1つあります。

30代男性:
「1,2回目もモデルナで、2回目は特に(副反応が)ひどかった。3回目も不安です」

 3回目接種が進まない要因としてあがるのはワクチンの副反応。特にモデルナ製への不安です。国が確保している3回目接種のワクチンは6割近くがモデルナ製で、接種率の向上には、モデルナ製での接種が課題となっています。

 こうした中、岸田総理はSNSを通じて…。

<岸田首相SNS動画>
「私自身、1,2回目はファイザー社のワクチンを打ちましたが、3回目はモデルナ社のワクチンを打つ予定です。ワクチンの種類よりもスピードを優先して3回目接種を受けていただきますようお願いいたします」

 総理自らもモデルナ製を打つと表明。堀内ワクチン担当大臣も、全ての閣僚にモデルナでの接種を検討するよう呼びかけるなど、アピールしています。

 人口2万4000人ほどの愛知県大口町では、2回目接種までは個別・集団ともにファイザー製を使用していました。

 しかし2月からは、個別接種はファイザーのままですが、集団接種ではモデルナを使用していて、ファイザー製の予約が6割ほど埋まっているのに対し、モデルナ製はまだ2割程度に留まっています。

 予約率からも見える、根強い「モデルナ不人気」。大口町民に聞いてみると…。

大口町民:
「やっぱりファイザーでやりたいなと思います。結構2回目を打たれた方が副作用がすごくって、熱出ちゃってという話を聞くので」

「私はファイザーでも副反応が出たので、モデルナはもっと出るのかなと思って。ファイザーがいいのかな」

「ファイザーとモデルナを両方打った方が効果があるという話も聞いたりするので。ただ予約がファイザーで取れたので安心しているところもありますね」

 やはりワクチンの効果そのものより、副反応への漠然とした不安が強いようです。

 藤田医科大学病院の岩田充永副院長は、ワクチンの種類にこだわらない接種の検討を呼びかけます。

岩田副院長:
「好みを選んで待っている状況ではない方もいる。少しでも重症化の心配がある方は、早く打てるところにアクセスしていただくことが最も大切」