後継者不足によりお茶農家が減少し、国内のお茶の栽培面積は、この40年で36パーセントも減っています。その中、国内の緑茶生産量の4分の1を取り扱っている大手飲料メーカーの伊藤園は、産地の育成事業を推進していて、農家と契約して全量買い取りをするなど、お茶農家をサポートしています。

■担い手不足のお茶農家…大手飲料メーカーが全量買い取りなどで支える

 三重県亀山市は、伊勢茶の産地です。この日、茶畑を訪ねたのは、大手飲料メーカー「伊藤園」の仕入れ担当の男性。伊藤園は、ここで収穫される茶葉を全て買い取っています。

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伊藤園の担当者:
「契約栽培という形で、毎年安定した品質のお茶を供給頂いている。「おーいお茶」の製品の品質の安定につながっています」

 伊藤園によると、お茶の消費量がほとんど変わらない中、お茶の生産量は減っているといいます。

 1989年に発売した伊藤園の「おーいお茶」は、累計販売本数350億本の大ヒット商品。国内の緑茶生産量の4分の1を取り扱っている伊藤園では長年、産地の育成事業に取り組んできました。

 お茶の消費量自体があまり変わらない中で、生産量は減っていることが今後の原料確保において課題としている伊藤園は、耕作放棄地などの開墾をサポートし、栽培のノウハウを伝えて建設業などの新規参入を進めています。また、農家と契約して全量を買い取り、既存の農家を守る取り組みも続けています。

まるは茶業の社長:
「この辺り一帯が、全量買い取りの畑」

 お茶の栽培・販売を行っている「まるは茶業」は、地域のお茶農家の取りまとめをしています。天候に左右されるお茶の栽培は、相場が“不安定”のため、担い手不足が悩みのタネでした。

同・社長:
「全量買い取りして頂くことによって、何年後かの投資とか、事業計画も立てられるように。土づくりに還元できるようになっているので、そういった面で好循環が生まれるようになりました」

私たちの未来のお茶を支える取り組みです。