新規感染者の増加と共にコロナ病床もひっ迫し、愛知県は一般診療を制限して病床を確保するよう病院に要請しています。

 しかし医療現場ではすでに、救急患者の受け入れができないなど苦しい状況に陥っています。

 藤田医科大学病院の岩田充永副院長。病院では中等症以上の患者を受け入れていますが、状況は厳しいといいます。

岩田副院長:
「患者さんは40人前後で推移しているところです。人工呼吸器を使って治療している方が3人、そういう状態を脱した方が3人くらい。元々の病気が悪くなって、コロナとしては軽症と分類されますが、その方の状態としては重症という方が多くいらっしゃいます」

 第6波の拡大と共に増加する高齢者の感染。中には、コロナ自体は軽症でも、持病が悪化して重篤な状態になっている患者もいるといいます。

 愛知県内の病床使用率は、15日時点で65.1%と高い水準で推移。新規感染者の数も高止まりとなっている中、医療のひっ迫は大きな懸念となっています。

 こうした中、愛知県は14日、新型コロナ患者の受け入れ病院に対し「一般診療を制限」してコロナ病床を確保するよう要請。コロナ医療の体制を強化する策を打ち出しました。

Q.愛知県から一般診療の制限についての通達は病院にあった?

岩田副院長:
「ありましたが、なかなかこれも…多くの病院にとってはすでに不本意ながら制限している」

 岩田先生によると、医療スタッフが感染したり濃厚接触者になったりすることで出勤できず、すでに多くの病院で患者の受け入れなどを制限せざるを得ない状況が起きているといいます。

岩田副院長:
「昨日も、20件断られた遠い地域の方の救急依頼が夜中にあったり、渥美半島の方から救急受け入れ要請があったりですとか。災害医療のときのようなトリアージを覚悟はしなきゃいけないレベル」

「災害時の医療も覚悟」…。医療が苦しい状況にある中、岩田先生が今、強い口調で訴えるのは、自分で命を守ることです。

岩田副院長:
「交互接種がどうとか、平和な時の議論をしている場合ではない。一日でも早く3回目のワクチンを。医療を守るためにというよりは、本当に自分の身を守ってほしい」