61年前、三重県で起きた名張毒ぶどう酒事件の10度目の裁判のやり直し=再審を求めた異義審で、名古屋高裁は奥西勝元死刑囚の妹に対し、再審を認めない決定を下しました。弁護側の訴えの主なポイントは、毒の入ったぶどう酒の瓶、この蓋のところに巻かれた「封かん紙」でした。

 弁護団は「別ののりの成分が検出された」とする鑑定書と、「懇親会の前に封かん紙は巻かれたままだった」という村人の供述調書を新証拠として出しました。

 まず1つ目は、封かん紙から製造過程に使われたのりの成分以外に、別ののりの成分が検出されたとする鑑定書です。これにより「真犯人が毒を入れたあと、貼り直した可能性がある」と主張していました。

 2つ目は、検察側がおよそ40年ぶりに開示した供述調書があり、3人の村人が事件の直前に「瓶に封かん紙は巻かれたままだった」と証言しています。

 奥西元死刑囚は自白で、毒を入れた際に封かん紙については「切れてその場に落ちた」としていて、弁護側は矛盾すると主張していました。

再審開始認めず…名張毒ぶどう酒事件の再審請求異議審 新証拠は「無罪言い渡すべき明らかな証拠に当たらず」

 これらについて名古屋高裁は、鑑定書については「科学的根拠を有する合理的なものとは言えない」、供述調書については「一般的に関心を持って観察する対象ではなく信用性に限りがある」としています。

 そして、いずれも「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たらない」と判断し、再審開始を認めませんでした。