愛知県の大村知事へのリコール運動で、署名を偽造した罪に問われていた活動団体の事務局長の次男に、名古屋地裁は執行猶予付きの有罪判決を言い渡しました。

 リコール団体の事務局長・田中孝博被告(60)の裁判は去年10月の初公判以降開かれておらず、本人が語らぬまま関係者の裁判が進んでいますが、16日の判決で名古屋地裁は、様々な点で田中被告の関与を事実として認定しています。

 16日に有罪判決が下った次男の雅人被告(29)の役割は、偽造のための名簿を業者から購入し、この名簿と署名用紙を愛知県からアルバイトを動員した佐賀県までレンタカーで運んだということです。

 16日の判決で、これらはいずれも「田中被告の指示だった」と認定しています。また、田中被告を「今回の事件の主犯格」と述べていました。

 一方で田中被告は、16日の取材でも事件については答えませんでした。田中被告の次回の裁判予定は決まっておらず、弁護側は初公判で「500以上の証拠について開示請求をしているところであり、まだ公判の準備中」としていて、およそ半年たった今も次回の裁判は決まっていません。

 16日の判決を受け、雅人被告の弁護士は控訴について「お答えできません」としています。

取材に応じた父親で事務局長の心境は…愛知県知事のリコール運動で署名を偽造 次男に執行猶予付きの有罪判決

 一審判決で田中被告の指示が事実として認定されたことを受け、本人が何を語るのか、今後の裁判が注目されます。