キエフから将棋セットだけ持ち避難…現地で将棋道場立ち上げたウクライナ人男性「日本で皆とまた指したい」
藤井聡太五冠の活躍で注目を集めている「将棋」は、実はウクライナにも日本将棋連盟の海外支部があり、愛知県ともつながりがありました。将棋と日本を愛するウクライナ人を取材しました。
ウクライナ人のイーゴル・ストルメッツキーさん、28歳。
イーゴルさん:
「キエフからウクライナの西の街、テルノーピリに避難しました」
プログラマーとしてキエフに暮らしていたイーゴルさん。大学卒業後、日本語を習ったことがきっかけで将棋にも興味を持ち、4年前にウクライナ将棋道場を立ち上げました。
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キエフの図書館等で仲間たちと将棋を指すなど、日本の将棋番組さながら対局の中継を行ったこともありました。
しかし、戦争で楽しい時間は奪われることに…。イーゴルさんも将棋セットだけを持って、実家のあるテルノーピリに避難しています。
イーゴルさん:
「時々警報が1日に2〜3回出てくるので、その時が不安です」
キエフに残っている会員の中には、紙で将棋の駒を作って避難生活をしている人も…。
イーゴルさん:
「みんなが集まって将棋の活動を復活させたいです」
平和が訪れ再開が待たれるウクライナ将棋道場は、愛知県とも繋がりがありました。安城市の将棋愛好家が集う安城支部道場。ここにイーゴルさんが訪ねてきたことがあります。
将棋指導員の松本勤さんは、ウクライナのメンバーとはオンラインで将棋の指導をしたほか、2年前には実際にイーゴルさんが安城を訪れた際、対局しています。
松本さん:
「安城市からウクライナの方で会社を興して事業をされている方がおられて、その人の仲介でお付き合いするようになりました」
日本将棋連盟のウクライナ支部を立ち上げる際も、松本さんが協力したといいます。
松本さん:
「日本で我々がやっているよりも積極的にトライして、将棋文化を広めるというのはすごい。平和が戻ってきたら一緒にやりましょうと伝えている状況です」
イーゴルさん:
「安城の子供たちもとても強かったし、ちょっとびっくりしました。ウクライナでは将棋の本がなくて、日本からウクライナへいろいろな将棋道具を持ってきて、将棋の普及ができるようになりました」
「再び平和が訪れたら日本に訪れたい」…イーゴルさんの願いです。
イーゴルさん:
「日本で沢山将棋の友達がいますので、みんなと一緒に将棋をもう一度リアルで指してみたいと思います」