3月24日、名古屋市瑞穂区の交差点で、横断歩道を歩いていた小学生の女の子2人が車ではねられ、1人が死亡、1人が大ケガをしました。1週間経った31日、改めて現場に向かうと、救命処置をした医師らに会うことができました。詳しい事故の状況を伺いました。

 この事故で逮捕された51歳の男は3月24日、瑞穂区で赤信号を無視して交差点に進入し、横断歩道を歩いていた小学生の女の子2人を車ではねて死傷させた危険運転致死傷の疑いが持たれています。調べに対し、男は「ダッシュボードを探っていた」「信号は確認していない」などと供述しています。

 現場には事故から1週間経った31日も、たくさんの花が手向けられていました。

 近所の方に話を聞くことができました。

近所の男性:
「いつも10時にはここで、天気が良い日は一服している。(当日は)ドンっといっただけで、なんやろうなと思って見たら、あそこの横断歩道で」

 男性によりますと、この交差点付近で以前に別の交通事故があったそうですが、そのときとは違和感があったといいます。

近所の男性:
「ノーブレーキだと思いますけどね。全然ブレーキの音が聞こえなかった」

 4月1日に行われた警察の実況見分では、小学生の女の子2人は横断歩道を渡っている時に車にはねられ、反対側の横断歩道付近まで飛ばされたということです。

逮捕の運転手「信号は確認していない」小学生2人死傷の事故 男の容疑を“危険運転致死傷”に切り替え送検

 車は大きく破損していて、運転手はブレーキを踏まずに交差点に進入した可能性があります。

 この日、事故現場で手を合わせている親子に出会いました。この女性は医師で、事故当時付近にいて、亡くなった女の子の救命処置をしたといいます。

救命処置した医師:
「脈とか呼吸も息も時々ひくっとする程度で、ほとんど息をしてなかったです。すぐに心臓マッサージをやったりとか、あとは呼吸のことをやったりとか。名市大の救急科の先生もすごく迅速に対応されていたんですけれども…」

 しかし、残念ながら女の子の命を救うことはできませんでした。その無念から、毎日手を合わせに来ているといいます。

救命処置した医師:
「あの時の衝撃がすごくつらくて、もう毎日頭の中はそのことで…。自分も子供を持つ身として、本当になにかつらい思いでいっぱいです」

 事故は下校中の子供たちが何人も見ていたといい、目撃した子供たちへのケアもしてほしいと願っていました。