コロナ禍で苦しんでいる岐阜県の世界遺産「白川郷」には、徐々に観光客が戻って来ています。県外からも人が訪れるようになり、コロナ禍で新しくオープンしたプリン専門店のプリンは、1日1000個以上売れるほどの人気となっています。

■「日本のお客さんが来てくれた」…重要文化財の合掌造りの家屋にはたくさんの客

 5月9日。白川郷には、県外からも観光客が詰めかけていました。

【画像20枚で見る】コロナ禍で土産店から業態変更…プリン専門店が五平餅ぷりんなど1日1千個以上売れる人気店に

埼玉から来た女性:
「白川郷見てみたかったので。素敵でタイムスリップしたかのような…」

愛知県岡崎市から来た男性:
「(合掌造りの家屋は)すごい、現代の建物とはかけ離れた構造をしているので」

国の重要無形文化財「和田家」の館長:
「去年、一昨年は全然でしたけど、今年は日本のお客様が結構動きがあったようで、朝早くから夕方まで入ってくださる状況」

 苦戦が続いているところもあります。「朴葉みそ和膳 飛騨牛」(1950円)などが名物の郷土料理の「白水園」では…。

白水園の女将:
「まだまだ厳しい状況。徐々に予約も入って来ているので、期待しています」

団体客の予約がまだ少なく、本格的な回復はこれからのようです。

■1日1000個以上売れる人気店に…土産物店からプリン専門店に業態転換した店

 新しく開店したお店もありました。2021年11月にオープンした、かやぶき屋根が可愛い「白川郷ぷりんの家」です。

白川郷ぷりんの家の店主:
「以前は土産店を営んでいました。コロナで売上が減少したので、何かできないかとプリンを」

店主は、“なめらかプリン”の生みの親・所浩史(ところひろし)シェフに弟子入りし、プリンづくりを学んだといいます。

埼玉県から来た女性:
「SNSで“水ぷりん”を見つけて、来たいなって」

プリンは、地元ならではの4種類が揃います。「水ぷりん」(450円)は、白川郷の水をイメージし、湧き水をジェル状にしてプリンと合わせました。

そして、「五平餅ぷりん」(480円)は、飛騨高山産の味噌と醤油をベースに、ゴマやクルミを合わせた五平餅のタレがのっている“進化系”プリンです。

ゴールデンウイークには、プリンが1日1000個以上売れ、業態変更は大成功のようです。

■「店を始めてから一番忙しかった」…GW盛況だった飛騨牛握りの店

 コロナ禍にオープンしたお店は他にもあります。白川郷のメインストリートに2020年の夏にオープンした「飛騨牛にぎり処おけさ」。

飛騨牛にぎり処おけさの店主:
「ゴールデンウイークは忙しかった。お店を始めてからは一番忙しかった」

店の看板商品は、白川郷産の結旨豚(ゆいうまぶた)と、飛騨牛握りの「飛騨の至福3種盛」(1000円)です。

千葉県西船橋市から来た男性:
「生産者に会いに、結旨豚の」

千葉県でトンカツ店を経営しているという男性は、白川郷のブランド豚・結旨豚の噂を聞きつけて訪れたといいます。

長らくコロナに翻弄されてきた岐阜県の世界遺産「白川郷」ですが、徐々に賑わいを取り戻しつつあります。