岐阜県瑞浪市に、地元の採れたて野菜をたっぷり使ったランチと、解放感あるテラス席からの素晴らしい眺めが自慢のカフェがあります。この夫婦が営む山里の“天空カフェ”は、たくさんの人で賑わっています。

■自慢は採れたて野菜とテラス席からの絶景…夫婦が営む山里の“天空カフェ”

 名古屋から車でおよそ1時間、岐阜県瑞浪市にある標高500メートルの山の上に「カフェー清涯荘(せいがいそう)」はあります。

【画像で見る】テラス席からは中央アルプスも…標高500mの山の上にある『天空カフェ』ランチには採れたて野菜

女性客:
「何よりお野菜がおいしい」

別の女性客:
「やさしいお味でおいしい」

自慢は、地元の新鮮野菜をたっぷり使ったランチと、テラス席からの眺めです。

また別の女性客:
「景色を見ながらご飯を食べられるのが一番。リフレッシュできます」

解放感あるテラス席からは、瑞浪市の街並みはもちろん、中央アルプスも見渡せます。

この山里の“天空カフェ”は、溝口武さんと妻の恵さんの夫婦が営んでいます。

■ニンジンやブロッコリーを香ばしく焼いて…自家製の野菜をたっぷり使ったランチ

 午前8時、溝口さん夫婦は敷地内の畑へ。カフェで使うトマトやキュウリ、レタスなど約20種類の野菜を栽培しています。

恵さん:
「農薬を一切使っていない。私たちの体は食べているものでできているので、体に優しいものを」

続いて向かったのは、10匹の烏骨鶏を飼育しているニワトリ小屋。毎朝収穫する産みたての卵もカフェで使います。

自ら栽培したものや、地元の農家から仕入れた新鮮な野菜を使って、恵さんがその日のランチを作ります。

恵さん:
「旬の野菜は元気がいいし、味が濃い。野菜そのもののおいしさを出せるように、味付けは極力シンプルに」

ニンジンやレンコン、ブロッコリーなどを香ばしく焼き、車麩(くるまぶ)は片栗粉をまぶし、醤油ダレで照り焼きに。

玄米に小豆と塩を入れて炊き上げたモチモチしたご飯の上に、車麩の照り焼きと、レタスなど10種類以上の野菜を盛り付けた「ブッダボウルランチ」(2400円)が完成。

炭が練り込まれた真っ黒なバンズを使った「ブラック・ヴィーガンバーガー」(2900円)は、お肉を使わず植物性の素材を使ったベジタブルバーガーです。

10種類の料理が入った「Bento Box(ベントボックス)ランチ」(3500円)も。

どれも野菜たっぷりのメニューばかりです。

■遠くは中央アルプスや恵那山まで…解放的なテラス席から見渡せる自慢の絶景

 午前11時。開店と同時に大勢の人がやって来ます。広い店内は、すぐにお客さんでいっぱいに。接客は武さんの担当です。

女性客:
「たくさん野菜をとろうと思っても難しいので、こうやって食べられるのは嬉しい」

男性客:
「野菜がすごく甘い。新鮮で体にいいものを食べている実感がある」

 さらに、「天空カウンター」と呼ばれるテラス席からは、目の前に遮るものが一切ないため、中央アルプスや恵那山までが見渡せます。

女性客:
「街から15分くらいで、こんなに素敵なロケーションがあるので、癒されたい時に来ます」

別の女性客:
「自然が大好きなので癒されます」

また、「Hanare(はなれ)」と呼ばれる個室も。鳥のさえずりと緑に囲まれ、ゆったりとした時が流れます。

 午後2時からはティータイム。米粉を使った「いちごのタルト」(900円)に…。

ニンジンのほのかな甘みが楽しめる「キャロットケーキ」(800円)。

そして、産みたての卵を使った「烏骨鶏のブリュレ」(900円)は、表面はパリッと香ばしく、やさしい甘さが絶妙です。

女性客:
「とってもクリーミーで濃厚。烏骨鶏だからか非常に濃い」

この味を求めて、多くの人たちがやって来ます。

■「自分たちだけで眺めるのはもったいない」…カフェを開いたきっかけ

 市街地から随分離れた場所に、なぜカフェを開いたのでしょうか。

武さん:
「最初は住むと移ってきたけど…。住み始めて、朝起きたら雲海が出たり、素晴らしい景色が見えたので…」

 東京で建築デザインの仕事をしていた瑞浪市出身の武さんは、2016年にUターン。この素晴らしい景色を自分たちだけで眺めるのはもったいないと、カフェを開くことを決意。

野菜を中心にした食事法を勉強していた恵さんが、料理を担当することになりました。

恵さん:
「採りたてで新鮮なものが手軽に手に入るので、すごく恵まれた環境。景色もごちそうの一部になって、いいスパイスになっている」

2017年に店をオープンした2人は、今ではすっかりこの暮らしに魅了されています。

 2人はさらに、店の屋上を改装し「屋上ラウンジTEN KUH」を作りました。カフェスペースよりもさらに解放感があるこの空間は、7月4日オープン予定です。

恵さん:
「風の音や鳥のさえずり、普段聞き逃してしまうような音もゆっくり楽しんでいただけるかな」

武さん:
「ここでゆっくりと時間を過ごしていただきたい。瑞浪にもいい場所があるってみんなに知ってもらいたい」

地元の採れたて野菜に、テラス席で感じる大自然…。武さんと恵さん夫婦は、“天空カフェ”から瑞浪の魅力を発信しています。