居場所を求める若者たちが集まる名古屋市中区栄の広場・通称「ドン横」が、27日に閉鎖されました。若者たちはなぜ「ドン横」に集まるのか。そして閉鎖を受け、次に向かう場所は…。

 長年、市民のイベントスペースとして使われてきた名古屋市中区の栄広場。目の前に「ドン・キホーテ」があることから、通称「ドン横」と呼ばれています。

 そこで27日午前、始まったのは…。

(リポート)
「午前8時20分過ぎです。今、栄広場に柵が設置されて、ここから閉鎖のための作業が始まっていきます」

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 ドン横がある場所には、2026年に地上211メートルの新たなシンボルタワーが開業する予定。

 その建設工事が7月1日から始まるため、27日、フェンスが設置され、閉鎖されました。

 家出するなどした10代から20代の若者が、居場所を求めて集まるドン横。彼らは「ドン横キッズ」と呼ばれていますが、居場所はどうなるのでしょうか。

24歳男性:
「(集合場所は)ここじゃないですか、ドンキ前とか。ここに移動するだけ」

23歳男性:
「(Q.ドン横に行ったことは?)あります。家出してる子とか多いイメージですね。仲間みたいな感じでつるんでいるのは感じる。閉鎖されてもたぶんどこかしらに集まるので、意味がないと思います」

「どこかに集まる場所はある」。その1つが…。

(リポート)
「こちらの池田公園は通称『池公』と呼ばれていまして、こちらも夜になると多くの少年少女たちが集まってくるということです」

 ドン横から800メートルほど離れた中区の池田公園、通称「池公」。27日朝も若者たちの姿がありました。

 20歳の水嶋浩太さん。2週間ほど前までドン横に行っていましたが、最近は「池公」に集まるようになったといいます。

水嶋さん:
「(来たのは今朝)4時ぐらいじゃないですか。誰かとたまっているのが楽しいです。ここ(池田公園)とかもっと増えそうですけどね」

 若者たちは何を求めて集まっているのでしょうか。

水嶋さん:
「(話を)聞いてほしいだけだと思うので。自力で稼げないから、援助交際で金稼ぐとか。溜め込んだものを吐き出せる場所というのでは、ある意味あの子たちからしてもそうですし、俺もイラついている時とかは、(ドン横は)居場所的なところはあったので。家に居場所があればそれでいいと思います。そういう風になる前に大人が気付いて、どうにかするべきなんじゃないかなと僕は思うので。そういう世の中になった方が俺はいいんじゃないかなと思っています」