真ん中で折る棒状のアイス、親指をあげて数をそろえる遊び、運転免許を取得するために通う学校…地域によって呼び方が変わるものについて調べました。

■真ん中で割る棒アイス 呼び方はチューペット?チューチュー?棒ジュース?

 真ん中で割る棒アイス、何と呼んでいますか?

愛媛出身・20代男性:
「チューチューアイス」

兵庫出身・20大女性:
「チューペットです」

岐阜出身・40代女性:
「カンカンジュース。固めてカンカンになる」

静岡出身・50代女性:
「凍らせてないのは棒ジュースでしょ?でも凍らせたら棒アイス」

 30人に聞いたところ、1位は「チューペット」、2位は「チューチューアイス」と「ポッキンアイス」が並びました。少数意見では、折ったりする音を元に「ポッキン」や「パッキンアイス」といった呼び方もありました。

【動画で見る】“ゆびすま”から“ルンルン”まで調べたらカオス…『親指あげて数を揃える遊び』何て言う?呼び方に地域差

 方言学が専門の、奈良大学の岸江信介教授は…。

岸江教授:
「チューペットとチューチューが入り組んでいますね。チューペットという言い方が、もうちょっと古いのかなみたいな。ポッキンとか(岐阜は)カンカン棒。(方言などから)新しくネーミングされていく」

 岸江教授が調べた全国の傾向は、大都市圏がチューペット、ほかではチューチュー。そして岐阜では「カンカン棒」、九州では「棒ジュース」と呼ぶのが一般的だということです。

■「ゆびすま」の呼び方は『SMAP×SMAP』から!この遊びはなんと呼ぶ?

 親指をあげて数を揃える遊び、何と呼びますか?

宮城出身・30代男性:「いっせーのーせ3」

千葉出身・40代男性:「いっせーのーせ2」

愛知出身・10代男性:「ゆびすま1」

石川出身男性:「ゆびすま1」

沖縄出身女性:「ちーばる2」

沖縄出身女性:「いっせーのーせ1」

沖縄出身女性:
「ちーばるが多かったですかね、小学校の時によくやっていたので。みんな言っていたから」

 さらに…。

福岡出身・20代男性:「ゆびすま5」

兵庫出身・20代男性:「せっさん3」

兵庫出身・20代女性:「いもいも6」

大阪出身・20代女性:「ルンルン4」

 もはやカオスです。こちらも30人に調査した結果、1位は11票の「ゆびすま」、以降、「いっせーのーせ」と「いっせーのーで」が続きました。

 昔からある遊びに詳しい、ライターのmegaya(めがや)さんによると…。

megayaさん:
「ゆびすまという呼び方は、98年ぐらいに『SMAP×SMAP』という番組で全国に広がった。関東では『いっせーの』が一番多くて、中部地方では『いっせっせーの』、関西は『いっせーのーで』が一番多い。語尾が全国でも微妙に違っているのが面白くて」

 megayaさんがSNSで800人に行ったアンケートによると、全国的には「ゆびすま」や「いっせーのーせ」が多数ですが、関東は「いっせーの」、中部では「いっせっせーの」、関西では「いっせーのーで」が多いということです。

 また、大阪の「ルンルン」をはじめ、「いもいも」「せっさん」「ちーばる」といった局地的な呼び名も分布していました。

■「車学」の呼び方は100%新潟県民!? 運転免許取得のため通う学校は?

 最後は、「車の免許をとるために通う学校」の呼びかたを調べました。

 岸江教授の調査によりますと、東海地方では「車校(しゃこう)」と呼ぶ人がほとんどで、関東や近畿では「教習所」と呼ぶそうです。岸江教授によりますと、「車学(しゃがく)」と答えた人は100%新潟県民、「自校(じこう)」と答えた人は100%富山県民だということです。

 柴岸江教授はこうした言い回しに対し、「方言とは地域差で、例えば慣習やお祭りとか。地域差が続いていく限り方言もなくならないし、各地域の文化の特色もなくならないと思うが、いつか地域差がなくなるときがくる。そのときに方言は消えてなくなってしまうのではないか。文明が発達して便利になっていくのは人間にとってはいいことだが、今まで大事にしてきたものが消えていくのは非常に寂しい」と話していました。