離れた場所から位置情報を知ることができる、アップル社の端末「AirTag」が、何者かによって愛知県警の捜査車両に取り付けられていました。

(リポート)
「こちらの来庁者用駐車場に止められていた捜査車両に、AirTagが取り付けられていたということです」

【動画で見る】主に暴力団担当の捜査員が乗る…警察の捜査車両に位置情報確認できる『AirTag』検証でわかった“高い精度”

 愛知県警豊田署の駐車場に止められていた1台の捜査車両。捜査関係者によりますと、2022年5月、その車両に乗り込もうとした捜査員が発見しました。

 AirTagとは、アップル社が開発した位置情報を確認できる端末です。重量は軽く、大きさは500円玉とほとんど同じサイズです。

 この小さな端末が黒い箱に入れられた状態で、捜査車両のマフラーに取り付けられていました。

 元々AirTagは、大切な持ち物を探すための端末。カギや財布などに取り付けておくと、万が一失くした時、AirTagが無線通信で近くの他人のiPhoneを経由し、暗号化した位置情報をデータ共有サービスに送信。事前に登録したiPhoneなどから、その位置を確認できる仕組みです。

 どれほどの精度で位置情報がわかるのか、実際に試してみました。

(リポート)
「AirTagが入った手荷物を知人の車の中に忘れてしまったという想定で、車を走行させてみます」

 東海テレビからAirTagを取り付けたカバンを乗せた車が走ると…。

(リポート)
「手荷物が入った車両が今、清水口の交差点に差し掛かりました」

 AirTagの動きを常に把握することは難しかったですが、おおまかにどの道をたどっているかは確認できました。

(リポート)
「AirTagを示すカバンのアイコンが名古屋城の正門前に到着しました。しっかりと名古屋城の南側で、位置情報の正確さが伺えます」

 数分の誤差はありましたが、AirTagの位置はかなりの精度で把握できました。

 今回、AirTagが取り付けられていた捜査車両は、おもに違法薬物や暴力団を担当する捜査員が使っていた車でした。

 誰が、どこで、何のために…。警察は反社会的勢力が警察の動向を把握するために取り付けた可能性も含め、経緯を慎重に調べるとともに、捜査員らに対して捜査車両を使う際に不審物がないか確認するよう通達しています。