新型コロナの影響で、3年ぶりに行われている夏の風物詩・郡上おどり。お盆の4日間は、深夜まで踊り続ける「徹夜おどり」も復活しました。

 清流の街、郡上。3年ぶりに下駄の音が帰ってきました。お盆の4日間、深夜も踊り続ける徹夜おどりも3年ぶりです。

揖斐川町から来た人:
「久しぶりだなという感じです。もともとなくなる前は毎年来ていたので」

山県市から来た家族:
「近所の友達です。楽しみです、みんなで踊るね」

 午後8時、いよいよ踊りがスタート。踊り屋形の周りには、全国から集まった「踊りすけべえ」たちの輪が広がります。

【動画で見る】深夜1時迄続いた3年ぶりの賑わい…郡上で『徹夜おどり』復活 街に響く下駄の音に「“やっと”という感じ」

郡上おどり保存会の藤田会長:
「密にならないように、間隔を取って踊っていただきたいと思います」

 今回、感染対策としてマスク着用でかけ声は禁止。入場パスを配って人数は4500人ほどに制限しました。

 隣の人と1メートルほど間隔をあけて踊り、時間も短縮し午前1時には終了します。

東京から来た人:
「3年ぶりなので、2泊して今夜と明日の夜踊ろうと思って」

東京から来た別の人:
「久しぶりにこういうのをずっと求めていたので、とても楽しいです」

郡上おどり保存会の藤田会長:
「皆さん3年間の鬱憤をここで晴らしてもらいたい」

 おどりの伝統を守り普及活動を続けている「郡上おどり保存会」。今年100周年を迎えました。街の資料館を訪ねると…。

郡上市の担当者:
「お寺で戦没者の慰霊祭をやった後に踊りをやっていました」

 郡上おどりは戦時中も続き、77年前の終戦の日も踊りの輪ができたといいます。

 開戦当時、おどりの歌詞を募ったチラシには、翼賛する「郡上おどり」と書かれています。集まった歌には、戦意を高揚させる言葉が並びました。

 平成に入ると、保存会は郡上おどりの普及活動を進めます。郡上藩ゆかりの東京・青山でおどりの開催。アメリカやカナダでの海外公演。元号が変わった年は、「令和」の夜明けを徹夜で踊りました。

 そして今年、100周年を記念して再びおどりの歌詞を募集。「疫病流行」「百代つなぐ」など、今を象徴する歌が集まりました。

(リポート)
「午後11時を過ぎました。久しぶりにまだ囃子の音も聞こえていて、多くの人が踊り続けています」

 午後11時過ぎ、踊りは最高潮に。街の下駄屋さんにはこれから踊りに行くというお客さんも。

地元客:
「3年ぶりやもんで、やっぱり新しいのが欲しいし。これからまだ1時までしっかりと踊りに行きたいと思って」

杉本はきもの店の店主:
「やっとという感じです。踊りが終わるころまで音がしますし、その音がすごくいい音に聞こえますね。もうそれはうれしいです」

 街に響く下駄の音…3年ぶりの賑わいは深夜まで続きました。