秋の味覚の代表格ともいえる「サンマ」は、シーズン序盤は不漁で、2022年も高嶺の花となりそうです。

 29日朝4時から名古屋市中央卸売市場で行われたサンマの競り。取り引きの場に目をやると…。

(リポート)
「北海道の厚岸(あっけし)や根室のサンマですけれども、ケースの数が少なくて寂しいようにも思えます」

名古屋海産市場のサンマ競り担当者:
「少ない方ですね。8月の盆過ぎから9月の上旬辺りには入荷は増えてくるはずだったんですけど、今年に関してはこんな状況です」

 不漁といわれた去年2021年でも、同じ時期にはおよそ1000ケースのサンマが入荷したといいますが、29日は200ケースほど。さらに…。

仲買人ら:
「ちょっとまだ小さいですね」

「痩せとるね」

「3,4年前はもっと大きかった。商品価値がないわな、細かいで。昔だったらエサだった」

 仲買人らは口をそろえて「小さい」「身が細い」と言っていました。

 29日の落札価格は、最も大きかった1尾120グラム弱のものが2キロ入って6000円から8000円。去年2021年の同じ時期の倍の水準です。

 サンマが捕れる海域の水温は通常14度くらいといわれていますが、それが近年は20度ほどまで上昇していて、不漁が続いているといいます。

 名古屋市中区大須にあるスーパー「サノヤ万松寺店」で店頭に並んでいたサンマは、3尾税込みで430円。

客:
「今日は特に安いんですけど、主婦は値段を見ますので、良いものでもあまり高いとちょっと敬遠する」

 29日は今シーズン初めて店頭に新サンマが並んだため、サービス価格で販売。通常150グラムの大ぶりのものであれば、1尾税込みで600円以上でないと販売できないといいます。

サノヤ万松寺店・鮮魚部の担当者:
「以前は1尾98円とか広告に載せて販売していたんですが、なかなかその値段で販売することもできなくなってきて、『大衆魚』のイメージからワンランク上の魚になってきたのかなと。ちょっと厳しいなと」

 名古屋市中央卸売市場では、海水温が下がり始めるこれから漁獲量も徐々に増え値段も落ち着くと見ていますが、もうしばらくは我慢が必要と話しています。