開園まであと1週間となったジブリパーク。先日のメディア内覧会で、数々の展示が公開されるなど期待が高まっていますが、開園に期待しているのはパークがある愛知県長久手市だけではありません。

 ジブリパークから車でわずか15分…。

(リポート)
「ジブリパークのお隣・愛知県瀬戸市でも、街を盛り上げていく動きがあるんです」

やってきたのは、長久手市のお隣・瀬戸市。「となりのトトロ」ならぬ、「となりのセトシ」を打ち出していて、街にはジブリがいっぱい。

【動画で見る】“ジブリっぽい風景”が街のあちこちに…ジブリパークある市の隣・瀬戸市で『となりのせとまち』プロジェクト

 そんな瀬戸市で今、あるプロジェクトが進められているといいます。訪ねたのは140年前の古民家を改造したゲストハウス。地元の商店街の人たちが会議を進めていましたが…。

「となりのせとまち」田中さん:
「『となりのせとまち』というプロジェクトを立ち上げました。ジブリの感じがする所が本当に至る所にあるので、そういう所を見つけてぜひ街を歩いてほしいなと」

商店街の人たちが中心になり立ち上げた「となりのせとまち」プロジェクト。“ジブリっぽい”と感じた瀬戸の風景などの写真に、「となりのせとまち」のハッシュタグをつけてSNSに投稿してもらい、観光客の増加などにつなげる作戦です。

 瀬戸のどこに「ジブリっぽい」雰囲気が隠れているのか、案内してもらいました。まず訪れたのは、尾張瀬戸駅近くの「せと銀座通り商店街」。

昭和初期から続くレトロな乾物店「尾張屋」は、ジブリ作品に出て来そうな懐かしい雰囲気が漂っています。

尾張屋の森さん:
「商店街は全てジブリだと思います。そこで働く人たちもジブリっぽい、もののけみたいな。個性のある店主がいっぱいいらっしゃるので」

およそ200メートル区間に、大正・昭和の建物。やきものの街として栄えたレトロな佇まいが残ります。

焼き物の街だけに、不思議な陶磁器の人形があちこちに。

 さらに、瀬戸川を挟んだ「せと末広町商店街」の飲食店は、「千と千尋の神隠し」に似たような雰囲気に包まれています。

この店のオーナーは、大のジブリファンだそうで…。

様時の石川さん:
「もともと(名古屋)大曽根でお店をやっていたんですけど、そこのお店が取り壊しになっちゃったんですよ。酔っぱらって『俺は千と千尋みたいな所に住みたい』と言ったらしいんですよ。奥さんが『瀬戸じゃない?』とイメージしたらしく」

奥さんと一緒に「ジブリっぽい」物件を探し、この築105年の建物にたどり着いたそうです。

様時の石川さん:
「古い町並みが“リアルジブリ”ということだと思うんですけど。古くて良いものを、より良く、なるべく手を付けずに見せたい。世界観があるので」

 また、商店街の隣にある「深川神社」の境内にあるのが、神秘的な雰囲気に包まれたクスノキ。

(リポート)
「トトロの世界。生えている植物が一斉にグワーッと伸び始めてくるような現象が起こるんじゃないかみたいな…」

 ジブリパークとともに、となりの瀬戸市にも足を運んでもらうプロジェクト。携わる人たちには、ある思いがありました。

せと銀座通り商店街の理事長:
「万博の時(2005年)に活性化したもんだから、もう一度という感じがありますね。今度ホテルもできるから、滞在型の新しい街になってくれるといいなと思って」

「となりのせとまち」田中さん:
「全国からジブリパークにいらっしゃると思うので、となりにこんなに面白い街がありますよと知っていただいて、その人の物語として瀬戸の街を歩いていただきたい」