11月6日に行われた「ぎふ信長まつり」に木村拓哉さんが登場。精悍な信長姿に大観衆は熱狂しました。

 46万人が詰めかけた街は、その一言で沸き上がりました。

木村拓哉さん:
「皆の者!出陣じゃ!」

 6日「ぎふ信長まつり」に登場した木村拓哉さん。日本の歴史のカリスマ・織田信長に扮し、地元出身俳優・伊藤英明さんと共に岐阜の街を熱狂させました。

【動画で見る】木村拓哉さんに46万人が熱狂…ぎふ信長まつり 木村さんが訪れたスポットへの“聖地巡礼”も始まる

観覧客ら:
「ハートがどきゅんです!」

「もう死んでもいいです」

「その一瞬が永遠というか、ふふ」

 まるで夢か幻か…その一日を振り返ります。

(リポート)
「午前8時半の金華橋通りです。木村さんを待つ長い行列ができています」

各務原市から:
「今日は(午前)3時半くらいです」

大阪府から:
「始発が6時なので、始発で来ました。もう酸欠になるんじゃないかと思って心配しています」

滋賀県から:
「失神するかも」

 観覧に応募したのは実に96万人。定員1万5000人に対し、倍率は64倍となりました。

鶴田さん:
「早めに来ないと良い場所で見られないかなと思って来たんですが、ちょっと手遅れかなという気もします」

 名古屋市の鶴田武志さん(51)。見事観覧券を手にしました。

鶴田さん:
「木村さんの生の迫力というのは、スクリーンを通しても面白いですけど、生だったらなおさらいいんじゃないかなと思います」

 普段は市民講座などで時代小説などについて教えている、木村さんと同世代の歴史好き。この機会は見逃せません。

 1万5000人の観覧エリアは16のブロックに分割し、金華橋通りの東車線に限定。混乱による事故を防ぐためです。

 しかし…。

(リポート)
「抽選に外れた人も、フリーな場所から木村拓哉さんを一目見ようと心待ちにしています」

 本来規制されるコース西側の歩道や、商店街にも、一目見ようと大勢が詰めかけていました。

(リポート)
「あと15分ほどで騎馬武者行列が始まります。この目の前を織田信長に扮した木村拓哉さんが通過していくわけなんですけれども、あの観覧エリアにも大勢のお客さん、そしてその前の歩道にもお客さんがびっしり、さらに交通規制されている車道にも大勢のお客さんが待っています」

最前列の女性:
「楽しみです。近くで見られるので」

別の女性:
「今娘に『キムタクみたいな人を選ばないかんよ』って。(行列は)どういう風になるかな、興奮して死なないかな〜と思って」

 期待と緊張が高まる中、ついにその姿が…。大観衆がその登場を待っていました。

木村拓哉さん:
「皆の者!出陣じゃ!」

 髭をたくわえた信長姿の木村拓哉さんが「出陣」。信長の家臣・福富平太郎貞家を演じる伊藤英明さんとともに、金華橋通りを進みます。

 あちこちで上がる黄色い歓声にも表情を崩さず、張り詰めた佇まい。信長が好んだとされる「人間五十年」で有名な敦盛の舞で応えます。

 商店街にあるフルーツ店の2階から必死に見ようとする人も…。

フルーツ店から観覧する女性:
「しっかり見えました!手を振ってくれたと思います」

別の女性:
「もうよくわかんないくらいかっこよかった!存在するんだなって感じでした」

観覧客ら:
「(ドラマ)『ビューティフルライフ』一式で、同じ靴を前から持っていたんですけど今回履きました。(抽選が)当たったのでちょうど目の前で見ました。同じ人とは思えないくらいきれいな人でしたね」

「(抽選は)当たらなかったんです。諦めていたんですけど、ダメ元で来たらちょっと見られたので、すごいラッキーでした」

「マフラーを振って『きむらさ~ん!』で向いてくださって。もう死んでもいいです。(写真は)首から下しか映っていなくて。もう本当に最大の喜びです」

 一方で…。

(リポート)
「皆さん立ち上がってパレードを待っていて、かなりぎゅうぎゅう詰めの状態です」

 指定の観覧エリアでも、あまり見えなかった人もいたようです。

エリア内で観覧した女性:
「後ろの方だったので全然見えなかったんですよ。みんなが一斉に携帯をうわーって揚げて高さもできて、どこどこどこ?って言う間に。ちょっとでもいいから見たかったです」

別の女性:
「全然見られてないです。頭ばっかりで、チラって。一瞬だけだったけどめっちゃ肌艶いいし、イケメンは違うんだなって。割と満足です」

 観覧エリアで見ていた「歴史好き」の鶴田さんは…。

鶴田さん:
「一瞬で終わってしまって『夢幻』だった感じですね」

 まさに一瞬・夢幻…。しかし鶴田さんにとっては、大興奮のポイントが。

鶴田さん:
「(信長が好きな)敦盛の舞の一節に『夢幻の如くなり』っていう一節があるんですけど。木村さんが(今年で)50歳になって、信長が亡くなったのが49歳なので。敦盛の舞が『人間五十年』なので。ちょうどいい年齢の時に彼がやるってことが僕は奇跡だなと思っていて。その一瞬が永遠というか、一番の宝物になったかなと思います。満足です!」

「人間五十年、夢幻のごとくなり…」それぞれが、わずか1時間の夢のようなひと時に酔いしれました。

(リポート)
「行列が終了して30分ほど経過しました、ゆっくりと大勢の人たちが駅へと向かっていきます」

 帰宅ラッシュに備え、警察はJR岐阜駅にDJポリスを配置。駅北口の階段を封鎖し南口への迂回ルートを設けるなどの対策も講じ、心配されていた大きな混乱もありませんでした。

 無事に幕を下ろした「信長まつり」。ただ、岐阜の木村さんフィーバーはまだ続きそうです。

 5日、撮影のために木村さんが訪れたという金華山ロープウェー。

金華山ロープウェーの担当者:
「こちらのポチ袋に映画のチケットを入れていただいたものを、『褒美じゃ』と信長様になりきって渡していただきました」

 信長をあしらったこのポチ袋、ロープウェーの売店で売られているものですが、木村さんがSNSにアップしたことで200個ほどの在庫が即完売したといいます。

 信長ゆかりの岐阜が、木村さんゆかりの岐阜として、これから注目を浴びそうです。

金華山ロープウェーの担当者:
「信長公はとても岐阜市にゆかりがある。こういった形で再ピックアップしていただいて、これからどのくらい影響があるのか、そちらの方も楽しみですね」

 一方、岐阜市のラーメン店「香楽」には行列が…。

女性客:
「キムタクが食べたので来ました」

別の女性客:
「せめて昨日いた空気だけでも吸いたいなと思って」

 5日、木村さんたちが来店したという情報がSNS上で拡散。「同じ店で食べたい」と“聖地巡礼”が始まっていました。

女性客:
「本当にすぐそこにいるような感じがして、おいしかったです。(同じ空気が)吸えました。ありがとうございます、来てよかったです」

 戦国時代のカリスマが、天下統一を夢見て拠点とした地・岐阜。

 450年の時を経て、現代のカリスマが熱く盛り上げました。