「FIFAワールドカップ」が開幕し、日本代表は11月23日に、ドイツとの初戦を迎える。フォワードの浅野拓磨選手の地元・三重県では、母校の後輩や恩師らから期待の声があがっている。

 浅野選手の母校・四日市中央工業高校、通称「四中工(よんちゅうこう)」。

サッカー部の監督・伊室陽介(いむろ・ようすけ 49)さんは当時はコーチで、浅野選手の指導をしていた。

【画像で見る】W杯日本代表の浅野拓磨 “執念”「足の指先、爪を伸ばしてでも点を取る」

伊室陽介監督:
「90分間、最後までボールを追いかける執念とか、最後の最後まで諦めず、足の指先、爪の先を伸ばしてでも点を取るという執念は感じましたね」

持ち前のスピードと粘り強さで、高校2年生の全国高校サッカーではチームを準優勝に導いた。

現在はドイツのクラブで活躍する浅野選手。しかし、2022年9月のドイツのリーグ戦で、右ひざのじん帯を損傷。そのとき、伊室監督は…。

伊室監督:
「ワールドカップ直前の発表のちょうど1か月くらい前に(浅野選手が)ケガをした時に、サッカー部全員で動画を撮って『頑張ってな』という動画を送りました」

<浅野選手に送った動画>
「浅野拓磨選手、ケガからの復帰とワールドカップ出場期待しています」

「(本田圭佑さんのモノマネ)拓磨!久しぶり、圭佑やけど、もっと四中工魂見せてほしいよ」

「ワールドカップでの活躍と、ワールドカップ招待待ってます!せーの!ジャガー!!」

するとすぐに、浅野選手から返信があった。

<浅野選手からのLINEの返信>
「動画、メッセージありがとうございます!正直このタイミングでの怪我はとてつもなく悔しいですが何一つ苦しくも辛くもないです!逆にワールドカップをまだ目指せることに幸せを感じてます!伊室さん、四中工の皆さんにもいい姿を見せれるようとにかく今やれることを全力でやっていきます!」

伊室監督:
「本当に素晴らしいコメント返してくれて、逆に我々が元気づけられたような。やっぱりメンタルも本当のヨーロッパのプロ選手でしたね」

自分が苦しい時でも周囲をも元気づける前向きな姿勢。そして、ワールドカップ直前の11月17日、カナダとの強化試合で、実戦復帰を果たした。

浅野選手(11月17日の試合後):
「不安なポイントは特に自分自身なかったですし、自分のコンディションをもっともっとあげていけると思いますし、ワールドカップに向けて自分の状態を100%にできるかなと思います」

ケガから復帰し、初めてのワールドカップを迎える浅野選手。伊室監督は、スピードを活かした「浅野らしさ」に期待している。

伊室監督:
「(試合の)スタートで出ても、限られた時間で負けている中で途中投入されたりもあると思いますが、とにかくもう彼らしさ、当時からスピードが彼の持ち味でしたし、途中で諦めたりという姿はあまり見たことないので、点を日本のために取ってほしいなと思いますね」