任期満了に伴う愛知県知事選挙が19日告示され、現職と新人合わせて6人が立候補しました。3期12年に及ぶ現職の県政運営の是非が問われることになります。各候補が第一声で何を強く訴えたのか、取材しました。

 19日告示され、17日間の論戦がスタートした愛知県知事選挙は、過去2番目に多い、現職と新人合わせて6人による争いとなりました。

 立候補したのは、医療コンサルタントの安江朗さん(55)、前春日井市議の末永啓さん(37)、経営コンサルタントの山下俊輔さん(60)。

 薬剤師の上原俊介さん(46)、政治団体共同代表で共産推薦の尾形慶子さん(65)、現職で自民県連・立憲・公明・国民が推薦する大村秀章さん(62)の6人です。

【動画で見る】2/5投開票…愛知県知事選告示 現職と新人の計6人が立候補 それぞれの候補者たちの「第一声」は

(リポート)
「こちらには推薦する共産党の国会議員が応援に駆けつけていますね」

 共産党が推薦する尾形さんは、名古屋市中区新栄の交差点で第一声を挙げました。

脱炭素社会の実現やジェンダー平等に向けた支援などを訴えたうえで、大村知事が推進するリニア中央新幹線や、中部国際空港の2本目滑走路など大型プロジェクトを批判しています。

尾形慶子氏:
「愛知県を地球温暖化対策ナンバーワン、脱炭素産業ナンバーワンの県にすることで、私はこの暗い雰囲気を打ち破りたいと思います」

 SNSを通じて若い有権者に浸透を図りたい考えです。

尾形慶子氏:
「テーマ別に短い動画を作ったりして、TikTokで(支援者の)チームがやってくれます。若い方への浸透を狙っています。生活に本当に困っているのは若い世代だと思うんですよね」

 新人たちの挑戦を受けて立つのが、現職の大村さんです。

(リポート)
「見てください、この人だかり。柵の向こうもびっしりと大勢の人が集まっています」

 与野党の議員も数多く駆け付けた出陣式で、大村さんはジブリパークを中心とした観光振興やスタートアップ企業の支援など、主にアフターコロナの産業力強化などを訴えました。

大村秀章氏:
「新型コロナウイルス感染症を乗り越えて、社会活動・経済活動をしっかりと回していく。その先頭に立って愛知が頑張って、日本を引っ張っていきたい」

 17日間、県内全域をくまなく回り支持を固める戦略です。

大村秀章氏:
「今日のうちに愛知県の最高峰の豊根村、茶臼山の麓まで行きまして、週明けには三河にある離島3島も行きますよ」

 政党の推薦を受けない候補者も、街頭で直接有権者への浸透を図ります。

 安江さんは、県内外から集客が見込める国際的なイベントの開催や、行政改革の断行などを訴えました。

安江朗氏:
「愛知県議会は『愛知県民生活向上委員会』という名前を付けます。名前を変えることによって全ての県民の方が、自分の生活が良くなる、そのために議会が開かれている(と感じる)。注目度が間違いなく上がります」

 末永さんは、ワクチン接種の中止など新型コロナ対応を抜本的に見直すことで予算を捻出し、経済対策に充てると掲げています。

末永啓氏:
「ウイルスがコロナ騒動を続けているのではなくて、政治・政策がコロナ騒動を続けているんです。県民の命を守れるかどうか、この瀬戸際にあると思います」

 山下さんの主な訴えは、2019年に開催された「あいちトリエンナーレ」の企画展「表現の不自由展・その後」を巡る現職の対応への批判や、愛知の産業力強化、少子化対策です。

山下俊輔氏:
「表現の不自由展を行ったことに対して、県民の皆さん、全国の国民の皆さんに謝罪申し上げます。わが国日本、そしてこの愛知県を断固守って再建していこうではありませんか」

 上原さんは、積極的なインフラ整備を通じた経済・雇用対策や、18歳未満の医療費無償化などを訴えました。

上原俊介氏:
「大した功績もあげられない大村県政に、私は断固対抗します。コロナ禍で傷んだ経済を立て直します。景気雇用回復です」

 有権者から今後4年間の愛知県の舵取り役を任されるのは誰になるのでしょうか。

投開票日は2月5日で、20日からは期日前投票が始まります。

【愛知県知事選挙の立候補者(届け出順)】

・安江朗氏(55)無所属・新人

・末永啓氏(37)無所属・新人

・山下俊輔氏(60)諸派・新人

・上原俊介氏(46)無所属・新人

・尾形慶子氏(65)無所属・新人 推薦=共産

・大村秀章氏(62)無所属・現職 推薦=自民県連、立憲民主、公明、国民民主