岐阜県可児市に2022年10月、ユニークな「たい焼きカフェ」がオープンしました。はみ出すほどあんこが入ったたい焼きに、驚きのアレンジメニューもあり、開店してすぐに店内が満席になるほどの人気になっています。

■“ふわふわ”の生地が人気…ユニークなたい焼きカフェ

 岐阜県可児市の市役所の少し南に、「たい焼きカフェ 陽だまり」はあります。

【動画で見る】“たい焼きモーニング”も大ウケ…この道20年の男性が家族で営む『たい焼きカフェ』開店1カ月で人気店に

その名の通り、たい焼きが看板メニューのユニークなカフェです。

2022年10月にオープンして以来、大勢の客で賑わっています。

男性客:
「生地もしっかりして、中はふわふわですごく美味しいです」

女性客:
「ふわふわしてる、生地が」

別の男性客:
「パリパリとした薄皮のたい焼きもあるんですけど、僕はこのふわふわの生地で、中にあんが詰まったこの感じが大好きです」

たい焼きを作るのは、この道20年の鈴木大(ひろし)さんです。

接客は、妻の苗美(なみ)さんと、娘の美桜(みお)さんが担当。

家族3人で切り盛りしています。

人気のたい焼きの作り方を大さんに聞きました。

鈴木大さん:
「ふわふわのたい焼きの生地を目指していまして、材料は小麦粉に岐阜県産のハツシモというブランドの米粉を使っています」

小麦粉に米粉をブレンドしてふわふわモチモチの食感を出し、ハチミツと練乳でほんのり甘く、香り豊かな生地に仕上げます。あんは市内の製餡所にオーダーしたものです。店独自に配合した特製あんをたっぷり使っています。

大さん:
「あんこをたくさん入れていますので、生地とあんこのバラスンを考えてちょっと厚めにしています」

生地もあんも、たっぷり。焼き方にもこだわりがあります。

大さん:
「中はしっかり焼きたいので、蒸らすために…。潰れちゃうので、これ(ナイフ)をかませて潰れないように、クッション代わりに置いています」

食事用のナイフを鉄板の間に挟み、少し空間を作ることで、生地がつぶれることなく蒸し焼きができ、ふわふわモッチリに焼き上がるといいます。

看板商品のたい焼きは、1つ180円。

手のひらサイズとやや小ぶりですが、厚みはあんがはみ出すほどです。

ふわふわモチモチの生地の中に、優しい甘さのあんがたっぷり入っていて、素朴でやさしくどこか懐かしい味です。

■モーニングは中にあんこ入らず…“タマゴサラダ”に“ポテトサラダ”やフレンチトーストも

 店は午前8時にオープン。この日はあいにくの雨でしたが、次々と客がやって来ました。

男性客:
「たい焼きモーニングが目当てで来ました。トーストが基本でしたので、初めてで新鮮でいいなと思います」

客の目当ては「たい焼きモーニング」。ドリンク代にプラス200円で、パンの代わりに「たい焼き」が付くセットです。

メニューは他にもあります。

妻の苗美さん:
「オーダー入ります、モーニングのBとCセット、1ずつです」

たい焼きはオーダーが入ってから焼き始めます。大さんがモーニング用のたい焼きを作り始めました。しかし、あんこは入れず、焼くのは生地だけ。焼き上がったら半分にスライスします。

そこに手作りのタマゴサラダを挟みます。

その名も「たい焼きタマゴサンド」の出来上がりです。

そして、ポテトサラダを挟んだ「ポテトサンド」との2種類のたい焼きが付いた「Bセット」は、ミニサラダとヨーグルトが付いてドリンク代プラス450円です。

女性客:
「たい焼きのモーニングが目当てで来ました。タマゴサラダも手作りだって聞いていたので、やっぱりホッコリするような味っていうか…」

別の女性客:
「ちょっとだけ塩味があるんですけど、生地がちょっとだけ甘くてあまじょっぱいバランス。家では作ろうと思っても作れない味」

「たい焼きサンド」は日替わりです。他にはハムとチーズを挟んだものや…。

カレーパウダーで炒めたキャベツサンドもありました。

また、「Cセット」には、たい焼きの生地を卵液で味付けしてフライパンで香ばしく焼き、ハチミツ、生クリームをトッピングしてアツアツの鉄板で食べる「たい焼きフレンチトースト」。

「たい焼きサンド」の代わりに付いて、ドリンク代プラス450円です。

女性客:
「面白い、新しい、映える」

女性客:
「生地がおいしいね。たい焼きをこんなことできるなんて初めてだから、素晴らしいアイデアだと思います」

このたい焼きは、実は鈴木家の家庭の味。

妻の苗美さん:
「(たい焼きの)皮が残ったものを持ち帰ってくれるので、捨てるのはもったいないと思って、私たちで食べようってなった時に、どうやって食べようかと。朝、パンを食べることが多いので、パンの代わりに皮を使いました」

娘の美桜さん:
「朝ごはんによく出てきました。ハムとかチーズを挟んだやつとか、アイスとか挟んでくれて、いろいろアレンジしていつも違うものが出てきます。どこにも売っていないので、おうちだけの特別メニューです」

■妻「珍しいを続けていきたい」…夫婦の夢を合わせてできた「たい焼きカフェ」

 午後になると、テイクアウトの客もやってきます。「たい焼きは焼きたてが一番うまい」と話す大さんのこだわりは、注文が入ってから焼くことです。

20年前、結婚を機にサラリーマンを辞めた大さん。両親が営んでいた、たい焼きの移動販売を継ぎ、その後テイクアウト専門店を開きました。

看板商品にと考案した“あんこがはみ出すたい焼き”が名物となり、とても繁盛していたと言います。「たい焼きカフェ」を始めた理由を聞きました。

大さん:
「僕はたい焼きを20年やっていましたので、たい焼き屋をやりたかったんです。妻は、人が集まる場所を提供したいというか…」

苗美さん:
「居心地のいい場所を作ってみたいなっていうのを思っていて、そこにいろんな方が来てくださって、対話ができたりとか、そういう所を作る夢があったんです」

夫の夢は「焼きたてのたい焼きを食べてもらいたい」。

妻の夢は「居心地の良い場所を提供したい」。

夫婦2人の夢を叶えたら「たい焼きカフェ」ができ、店の看板商品にと、自分たちが食べていた「たい焼きサンド」や「フレンチトースト」を出したところ、SNSなどで話題となり、開店から1か月もすると人気店になりました。

苗美さん:
「今でも珍しいねって言ってくださるんですけど、それを継続していけたらいいなと思います。新しい商品も考えて新しい具材も入れていきたいと思いますけど、ノーマルなあんこのたい焼きの味も守りながら、娘たちみたいに若い子たちにも興味を持ってもらえるようなものを、娘の力も借りながら新しい商品を開発して、常に話題のある店にしていきたいなって思います」

2022年12月6日放送