
新年度がスタートし、3日は各地で入社式などが行われました。出世魚のプレゼントや、入社を結婚に見立てたユニークな式典で、新社会人の門出を祝う光景が見られました。
三重県の尾鷲市役所恒例の新人職員「辞令交付式」では、モジャコ、ワカナ、ツバス、ワラサと名前を変える出世魚のブリが辞令と共にプレゼントされました。大きく出世するようにとの期待と願いが込められています。

3日、各地の企業や役所で入社式などが行われました。約1450人の新入社員が出席したトヨタ自動車の入社式。
【動画で見る】入社を“結婚”に見立てた演出の会社も…新年度がスタートし各地で入社式 トヨタは役員のクルマ並べて交流

佐藤恒治社長:
「新入生の皆さん…新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。ようこそ、クルマ屋のトヨタへ。この入社式が、社長として私の最初の仕事です」

創業家出身・豊田章男氏の跡を継ぎ、4月に就任したばかりの佐藤恒治新社長。うっかり「新入生」と呼んでしまった佐藤体制1期生の新入社員を激励しました。
佐藤恒治社長:
「『新入社員だから』と気後れすることなく、皆さんだから感じること、自分らしさを大切にしてほしいと思います。リアルなクルマが持つ価値を体感して、自分のセンサーをぜひ磨いてください。それがクルマづくりを楽しむ第一歩だと思います」
トヨタ14年ぶりの新社長は、入社式にユニークな取り組みも用意していました。

本社前にずらりと並んでいたのは、経営陣が普段ハンドルを握る愛車の数々です。佐藤新社長は、かつてチーフエンジニアを務めた愛車「レクサスLC」の前で、新入社員と交流しました。

佐藤恒治社長:
「われわれ(経営陣)の体温みたいなものを感じて欲しいということと、やっぱりクルマの会社ですから、一番最初に見る景色はクルマがたくさん並んでいて、クルマ屋に入ったなっていう記憶をこれから会社生活の原点にしてほしいなと」
佐藤新社長に、入社式で務めを果たした感想を聞きました。
佐藤恒治社長:
「緊張しましたよ、最初間違えたじゃないですか。『新入生の皆さん』って言っちゃって、ちょっとまずいなと思って言い直して。さっき豊田会長に『お前最初間違えただろ』って言われましたけど。緊張しました」
大好きなクルマを前に、目を輝かせたトヨタの新入社員。4月下旬から、それぞれの職場で業務をスタートさせます。
ステンドグラスやパイプオルガンが設えられた、荘厳な雰囲気を漂わせる結婚式場では、10人の若者たちがバージンロードを歩いて進みました。

アッシュホームの社長:
「新入社員の10名の皆さん、本日は本当にご入社おめでとうございます」
注文住宅などを手掛ける、愛知県稲沢市の「アッシュホーム」の入社式です。

場所だけでなく、内容も結婚式さながらです。母校の先生などから1人ずつにサプライズで寄せられたメッセージに、思わず涙する新入社員もいました。
アッシュホームの社長:
「『入社』って『結婚』とよく似ているなと。人生を共にするという意味で、共に頑張っていこうという思いもつながって、すごく素敵な入社式ができるかなと」

結婚という言葉に、仲間との絆を深める思いを込めた入社式。モチベーションアップにも繋がったようです。
新入社員:
「(メッセージが)お世話になったゼミの先生からだったので、こみ上げるものがたくさんありました。私に任せて良かったなと思っていただけるようなお家づくりができたらと思っております」
別の新入社員:
「こんなに大きいところでやらせていただけるとは思っていなかったです。緊張していたんですけど、良いスタートを切れたかなと思います」

趣向を凝らし、新社会人の第一歩に華を添えるイマドキの入社式。それぞれ晴れやかなスタートとなったようです。