三重県伊勢市には、学校の卒業式などお祝い事の際によく食べられる「カタパン」というお菓子があります。どんなお菓子なのか由来などを取材しました。

 伊勢市にある「丸与製パン」。雰囲気のある店構えです。

店内には、懐かしい雰囲気のパンが並んでいます。

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店主の井村卓嗣さんにカタパンについて聞きました。

井村卓嗣さん:
「かなり昔からやっていますけども…」

地元で古くから愛される「カタパン」(140円)の形は大きめの円。

試食してみると…。

リポーター:
「あ、軽い。かたくない!やわらかいです。なんでカタパンなんですか?」

井村さん:
「普通のパンみたいにフニャっとした感じがないから、カタパンっていう」

しっとりして柔らかく、卵の味がしっかりします。おやつに食べたくなるやさしい味です。

井村さん:
「おやつに食べると言って、ようけ持っていく(買っていく)人はおりますけども」

表面には不思議な模様が描かれていました。

井村さん:
「先代から聞いた話によると、大正時代にはあったと。100年は超えとる。細かいことは文献も何もないのでわかりませんけど」

 明治の中頃に創業し、戦時中は旧日本海軍にパンを納めていたという丸与製パン。井村さんは4代目で、カタパンは創業者が考案したといいます。どのようにして誕生したのか、経緯や模様の意味など詳しいことはわかりませんが、今でも卒業式や運動会などおめでたい日に食べられているということです。

2023年1月11日放送