「ムツゴロウさん」の愛称で親しまれた、動物学者で作家の畑正憲さんが亡くなりました。畑さんは生前、愛知県でも動物たちと触れ合っていました。

畑正憲さん(1986年):
「心の豊かな人は動物も豊かな心を与えてくれますし、その人その人によって生き物は与えてくれるものが違うんですね」

 畑正憲さんが5日午後5時53分、心筋梗塞で亡くなったことが分かりました。87歳でした。

 1972年、北海道に動物たちと暮らす「ムツゴロウの動物王国」を設立。

 1980年には、“ムツゴロウ”の名が全国区になるフジテレビ系の番組「ムツゴロウとゆかいな仲間たち」の放送がスタートしました。21年もの間、世界を旅しながら多くの猛獣たちと触れ合い、人気を博しました。

 ムツゴロウさんは愛知県にも足跡を遺しています。1986年、南知多ビーチランドで動物の絵を描くムツゴロウさん。

畑正憲さん(1986年):
「スケッチからデフォルメというか、自分の線が出るように工夫を少しはしてるんです」

 ムツゴロウの動物王国をビーチランドに再現するイベントでは、自ら沢山の動物たちを描きました。

【動画で見る】“ムツゴロウさん”死去…動物学者・作家の畑正憲さんが遺した足跡「心の豊かな人は動物にも豊かな心を」

 当時イベント担当だった岡本一志さん(74)に、印象に残っているエピソードを聞きました。

岡本さん:
「イベントの挨拶では動物の鳴き声から始まったので、みんな呆気に取られていました。『イルカと泳ぎたい』とおっしゃるので、寒かったし危険なのでお断りしたら、残念がっていました」

 この時、畑さんはインタビューにこう答えていました。

畑正憲さん(1986年):
「心の豊かな人は動物も豊かな心を与えてくれますし、その人その人によって生き物は与えてくれるものが違うんですね。人生の断面で自然と親しんで、自然と会話するというのは、人間の生活を非常に豊かにしてくれるんじゃないでしょうかね」