まだ真夏ではない5月でも、紫外線の強さはピーク時の約8割で、注意が必要です。対策方法やグッズについてまとめました。

■医師「紫外線による肌ダメージはシミやシワ等の要因に」

 以前「日傘男子」というワードが世間に広がりましたが、男性にとったアンケートでは、熱中症や汗ニオイ対策にもなるとして、83%が肯定的にとらえています。(※男性の医療脱毛専門院「メンズリゼ」調べ)

 紫外線の強さは、まぶしさや暑さとは関係はありません。5月はピーク時の約8割で、強い紫外線が降り注いでいます。

【動画で見る】5月でもピーク時の約8割の強さ…『紫外線対策』医師が指摘する“3つのポイント”とプロに聞いた最新グッズ

 地表に届く紫外線にはA波とB波の2種類があります。B波は雲やガラスには遮られますが、直接浴びると火傷のような日焼けも引き起こします。

 A波は雲やガラスも通り抜けます。また、空気にあたることで光が散乱するため、日陰にいても届きます。A波は通称「生活紫外線」と呼ばれ、全体の90%、B波は通称「レジャー紫外線」と呼ばれ、全体の10%程度です。

「よしき銀座クリニック」の皮膚科医・吉木伸子院長によりますと、紫外線による肌のダメージは蓄積し、シミやそばかす、シワなどにもつながるということです。

「WHO=世界保健機関」も、紫外線について言及しています。

「生涯浴びる紫外線の大半は18歳までに浴びることが多いため、子供のうちから対策を」と呼びかけています。

■医師が指摘する「紫外線対策3つのポイント」 無料で使える肌診断アプリも

 紫外線対策について、ポイントとなる3点を吉木院長に聞きました。1つは、長いマスク生活でマスクの繊維と肌がこすれて肌荒れしている人が多いということですが、荒れた肌は紫外線をより吸収するため、肌のケアをしっかりしてUV対策も必要と話しています。

 2つめは日焼け止めです。顔に使用する量は500円玉の大きさ程度が必要で、塗る量が半分になると、効果は4分の1に減るということです。日常的な対策であれば、ファンデーションとの併用でも良いとしています。

 3つめはサングラスです。目に紫外線が入ると、脳が全身に、紫外線から身を守るメラニン色素を作るよう命令し、その結果、全身が日焼けしやすくなるため、サングラスは「余計な命令」を減らすことができるということです。

 サングラスは紫外線の遮断率が高く、レンズが大きなものを選ぶことが重要としていますが、サングラスの色の濃さと遮断率は関係がないため、選ぶ際には丁寧な確認が必要です。仮に紫外線を遮断しない色の濃いサングラスを使うと、瞳孔が開き、より目に紫外線が入ることになり逆効果です。

 自分の肌が今どんな状態か知っておくことは、紫外線対策の第1歩ですが、スマホで簡単にチェックができるアプリもあります。

 Aiを活用している「肌レコ」は、花王が開発した肌診断ツールです。

 スマホで顔写真を撮影すると、Aiがチェックし、肌の状態を13項目でスコア化して結果を示してくれます。

 無料で、肌の手入れのアドバイスもしてくれます。

■「日焼け止め」は?「日傘は」?…プロに聞いた対策グッズ

 紫外線の対策グッズについて、各業界のプロに聞きました。「日焼け止め」について話を聞いたのは「@cosme STORE 名古屋タカシマヤ ゲートタワーモール店」の稲垣和奏店長です。

 稲垣店長によりますと、日焼け止めの直近の売上は前年比の約180%で、とても好調だということです。

 稲垣店長が勧めるケアの方法は、家で「クリームタイプの日焼け止め」を塗ってから化粧をすることです。ただ、汗などで流れてしまうので、3時間程度で外出・勤務先で化粧の上から「ミストタイプ」の日焼け止めを使うことを勧めています。

 首の後ろなど塗りにくいところでも使いやすい「スティックタイプ」の日焼け止めは、手も服も汚れずべたつきも少ないため、メーカーも力を入れていて種類も多いということです。

 日傘については、ジェイアール名古屋タカシマヤで傘売り場の専門知識を持った「アンブレラマスター」の資格を持つ内田真美さんに聞きました。

 日傘の売上も前年比120%と好調だといいます。最近では「晴雨兼用」が当たり前で、そうでなければ需要がないと話しています。

 女性の日傘は進化しています。一般的な3つ折りではなく「2つ折り」も登場していて、使いやすいと評判になっています。1万2100円の「プチおり」は、従来より持ち手が約8センチ短くなり、携帯しやすくなっています。

 男性用の日傘では「抵抗感を抑えられる」として、おしゃれな「柄モノ」を選ぶ人が増えてきているということです。

 ハンズ名古屋店でも、バイヤーにおすすめの紫外線対策グッズを聞きました。帽子は、冷感素材を使い、紫外線カット率が約99%の「クールUV 小顔クロッシェ(1628円)」です。小顔に見えるデザインが人気で、メーカーによりますと、2023年だけで約2万8千個が売れているということです。

 アームカバーは「絹屋」の「UV 内側シルクアームカバー(2420円)」です。裏糸にシルク素材が使われていて、肌触りが心地よく、通気性もアップしています。

 体の形をした「体型カバー 涼やかUVパーカー(2728円)」は、上半身をすっぽりカバーできますが、小さく畳むことができるほど薄手で、旅行にも使うことができます。

 そして“紫外線対策の王様”「ヤケーヌ」は、シリーズで14万点売れています。「爽クールスマート(2860円)」は、首まで日焼けしないようしっかりカバーし、汗の気化熱効果で涼しさも感じることができるということです。

 またユニクロは、日本気象協会とコラボし、紫外線の強さ別に、UVカット商品を使ったコーディネートの提案をしています。