永田町で今、「解散風」が強まっています。FNNの取材で、岸田総理は内閣不信任決議案が16日に提案されれば、その日のうちに衆議院の解散を表明する検討をしていることがわかりました。愛知県の関係者の動きも慌ただしくなっています。

 13日の会見で解散について問われた岸田総理は、以前の「考えていない」という表現を改め、「いつが適切か、情勢を総合して判断していく」と述べました。

岸田総理(13日):
「いつが適切なのか、諸般の情勢を総合して判断していく。今の通常国会、会期末間近になって色々な動きがあることが見込まれます。よって、情勢をよく見極めたいと考えております」

 こうした中、岸田総理が周囲に伝えたのが「16日内閣不信任で”即日解散”」という意向です。

 早ければ16日にも提出される可能性のある「内閣不信任案」。FNNの取材で、複数の政府与党関係者によると、仮に提出されれば岸田総理はその日のうちに解散を表明することを検討しているといいます。

立憲民主党の安住国対委員長:
「否決しようと思えば簡単に否決できる話なので、我々の話は単なるきっかけに使おうというというだけの話だと思うんですね。何の大義でどういう風に解散するのかを私は見極めたいと思っています」

 不信任案提出で岸田政権との対立機運を高めたい立憲民主党ですが、党内では今選挙になると厳しいという見方もあり、ギリギリの判断が迫られています。

【動画で見る】永田町で強まる“解散風”…愛知の関係者の動き慌ただしく レンタル業者「明日解散と言われても出せます」

 強まる「解散風」の影響は、愛知県でも表れています。

近藤産興の近藤専務:
「こちらはパーティションですね。ワクチン接種会場でよく出ていたのですが、選挙事務所でもよく使われますので、その整備をしております」

「何んでも貸します」をキャッチフレーズとする『近藤産興』の東海機材センターには、付き合いのある議員から解散を見据え在庫を確認する連絡が入り始めているといいます。

 真夏の総選挙を想定した物もありました。

(リポート)
「こちらには大型の扇風機がすぐに出荷できる状態でズラッと並んでいます」

 演説会場など人が多く集まる場所で使う大型扇風機や、スポットクーラーなども準備。

 2023年の夏はアフターコロナでイベントも増えることも勘案して、物品を揃えるといいます。

近藤産興の近藤専務:
「物が足りないことがないように、事前の準備を整えている状況です。明日解散と言われても『いつでも出せます』といった状況で、今準備を整えております」

 衆議院愛知7区選出、自民党・鈴木淳司議員の瀬戸市の事務所では14日、急ピッチで書類やファイルを段ボールに詰める作業が行われていました。

 瀬戸市で生まれ育った鈴木議員ですが、事務所を移転する必要に迫られています。

鈴木淳司議員事務所の三治秘書:
「選挙区割りが変更になったということで、随時こちらも移転するために準備はしていたんですけれども、ここのところ解散という声もあるので、そこに向けて急ピッチで準備をしているところです」

 次回の総選挙から行われる区割り変更で、鈴木議員の故郷の瀬戸市は愛知6区とされたため、現在の事務所を7区内の別のところへ引っ越しすることになりました。

 この事務所移転で悩みの種となっているのが、山積みとなっている瀬戸市の住所が書かれた封筒です。強まる解散風に、こうした印刷物などの変更も急いでする必要があります。

三治秘書:
「(選挙が)絶対あるとか絶対ないとか、どちらも多分言えないと思うので。いずれにせよ、こちらとしてはいつあってもいいようにということで、準備を進めていかなかきゃいけないなと思っています」

 前回の総選挙で、鈴木議員に5万票あまりの差をつけられて敗れた立憲民主党の元職・森本和義さんは、自身10年ぶりの国政復帰を目指し、次の総選挙には並々ならぬ思いがありますが、このタイミングでの解散は「国民不在」と否定的な考えです。

立憲民主党の森本さん:
「解散して何を問うのか全然わからないので、そこをはっきりしないと意味がないかなと。ただ単に与党が勝てる時期にやるんですという話では、はっきり言って政策が置いてきぼりですし、国民不在になっちゃいますので。しっかりと政策テーマで議論をして戦った方がいいと思っています」

 衆議院愛知7区では、共産党の尾東地区委員の鈴木弘一さん(48)も立候補を予定しています。