
名古屋市中区栄の飲食店を間借りして、ウクライナの家庭料理を提供する店がオープンしました。オープンの背景には、ウクライナから避難してきた女性たちの働く場や交流の機会になればとの思いが込められています。
ウクライナの郷土料理「ボルシチ」を調理するのは、ウクライナ人のマリアさんとアンナさんです。ロシアによる侵攻を受け、2022年3月にそれぞれ日本に避難してきました。

店内には、料理する2人のほかにテーブルなどを準備する女性の姿もあります。
【動画で見る】働く場所や交流機会を…ウクライナ避難民に焼肉店がランチ営業の場を提供 郷土料理の店を月に1度オープン

ウクライナ料理を提供する店が27日、名古屋市中区栄にオープンしました。月に1回、ランチのみの営業で、初日の27日は20人限定でしたが、予約はいっぱいに。

メニューはボルシチのほか、ポテトやチーズの具材を小麦の皮で包んで茹でた「ヴァレニキ」など、ウクライナの家庭料理のコースです。

女性客:
「ウクライナ人の友人に紹介してもらって来ました。どれもすごくおいしくて、ウクライナ料理って素晴らしいなと思いました」
別の女性客:
「ボルシチって名前は知っていたけど、ウクライナの料理とは知らなかった。どの料理も癖がないし、さっぱりしていておいしい」

この料理店は、避難してきた女性たちが経営するわけではありません。店も無償で焼肉店を間借りしています。
ウクライナ侵攻に反対するデモ活動に参加した焼肉店の店主が、避難した人たちに働く場所や交流の機会を提供したいと、日本ウクライナ文化協会と協力して実現しました。

焼肉絆栄店の店長:
「ウクライナのことをバックアップしたい人が集まってきてくれるので、支援ができるんじゃないかなと思っています。料理は楽しいものですし、暗い気持ちを明るくしてくれるんじゃないかな」
日本ウクライナ文化協会の榊原・アレクセイツェヴァ・ナターリヤ副理事長:
「避難民の方は、自分で(日本に対し)何かしてあげたいという気持ちもあります。日本人はウクライナの料理を食べる機会がないので、避難民もうれしいし、日本人の方も食べて喜んでくれるのは一番いいかなと思います」
料理を通じて、自然と生まれるお客さんとの会話。

女性客:
「(ウクライナのことを)もっと身近なこととして捉えることができたらいいなと」
マリア・サルクさん:
「ウクライナの文化を伝えることができて、日本人も興味をもって聞いてくれている」
月に1度オープンするウクライナ料理店。次回は7月25日の予定で、問い合わせは日本ウクライナ文化協会で対応するということです。