夏休みに入り、全国で子供達が犠牲となる水難事故が相次いでいます。21日には三重県津市の海岸でも、中学3年生の男子生徒が溺れて死亡する事故があり、専門家は「離岸流」が発生した可能性を指摘しています。

「離岸流」とはどういうものなのか、長岡技術科学大学が実験した映像では、砂浜近くの2カ所に人体や魚に無害な着色剤を投入すると…。

 まず右のマーカーが横や沖へ伸び、その後もう一つのマーカーも沖へ。お互いのマーカーが合流しました。そして、およそ4分で先端は50メートルほど沖に流れました。この時、沖へ縦に伸びる流れを離岸流といいます。

【動画で見る】人工構造物ある海岸は発生しやすく…5秒で1mも沖へ流される『離岸流』もし流されたら“慌てず浮き続ける”

 この離岸流は、波が高くなく遊泳可能な海水浴場など、波がある場所ではどこでも発生し、5秒で1メートル流されるということです。

 気が付いたら足が届かない場所まで流され、足が地面につかないことでパニックになり、余分にエネルギーを使ったり、誤って海水を飲み込んだりしてしまい、溺れる危険性が高まるということです。

 離岸流はどこでも発生するということですが、堤防などの「人工構造物」がある場所では流れが集中して発生しやすいといいます。

 長岡技術科学大学の犬飼准教授によりますと、海水浴をする際にはなるべく浮き輪などの浮き具を付けて、ライフセイバーがいる海水浴場で泳ぐことが大切だとしています。

 もし流された場合は落ち着いて、その場に浮くことに専念すること。通常、海水浴場はライフセーバーが異変に気付いて助けるシステムになっていて、とにかく「浮き続けていること」が重要としています。