福島第一原発にたまる処理水の海への放出で、中国は日本産水産物の輸入を停止しています。中国は水産物の最大の輸出国で、ホタテだけでなくナマコなども大打撃を受けています。

 近畿大学の有路昌彦教授によりますと、中国に輸出されるホタテは、日本で獲れたものが中国で加工され、ヨーロッパに流通していたということです。

 ただ、既に加工場をベトナムに移す企業が増えています。中国現地の工賃が上がっていることや、今回のような「政治リスク」が背景にあるといいます。

 また有路教授は、そうはいっても「中国そのもののマーケットはかなり大きいため、長期の禁輸で影響が出るのは避けられない」と話しています。

【動画で見る】処理水放出受け中国の水産物輸入禁止続く…三重でも『ブリ』に影響 輸出再開した矢先で関係者「残念」

 東海3県では「ブリ」にも影響が出ています。三重県の尾鷲物産ではコロナ禍前には年間10トンのブリを輸出していました。2023年に入り規制が緩和されたため、徐々に輸出を再開した矢先の中国の輸入禁止となりました。関係者は「将来的に期待していた市場だけに残念」と話しています。