人気100円ショップの「Seria(セリア)」で、お客さんの買い物術を見せてもらいました。

■人が少ない開店直後の“時短買い物術”

「Seria」は岐阜県大垣市に本社を構え、全国に1940店舗を展開しています(2023年5月時点)。東海地方が誇る“100円ショップ”です。

【動画で見る】買い物専用のグループLINEまで…節約の味方“100円ショップ” セリアで見つけた買い物上手たちのスゴ技

今回取材に訪れた愛知県小牧市の「小牧田県(たがた)店」には、生活雑貨から趣味に活かせるアイテムまで約2万点が並び、全て税別100円です。

このSeriaでお客さんはどのような買い物術を使っているのか、ウォッチしました。

午前10時のオープン前にやってきた女性(85)がいました。

女性(85):
「朝はざっと何もかも、掃除やって終わって洗濯して終わって、それで来て買い物して、昼からはもうテレビのドラマ(を見て)、ゴロンと転がったりして」

午後にお気に入りのドラマを見るため、家事をいつも午前中に終わらせていて、買い物にはメモを用意して、ドラマの時間に間に合うよう、スムーズな買い物を意識しているといいます。

女性は店に入るなり、レジへ直行しました。

女性:
「(レジの店員に)すいません、ローソクどこらへんですか?それから綿棒と、白封筒も欲しいんだわ」

店員に欲しいものを一通り伝え、売場を案内してもらっていました。

女性:
「時間のロスになるもんで」

買い物はわずか3分で終了。朝一番から買いに来る人は少ないため、店員に声をかけやすいといいます。探す時間を省く、鮮やかな買い物術です。

女性:
「聞かないとね、どれだけでも歩かないといけない。もう次行かないといかんでしょ」

■SNSでチェックする100円ショップの買い物術

 緑の細長い棒を買っている女性(34)がいました。

この女性が買ったのは、家庭菜園で使うネットなどを張る支柱でした。これまでは園芸店などで揃えていたそうですが、「農業系YouTuber」がSeriaで買ったものを使っている動画を見て、100円ショップで買うようになったといいます。

「YouTubeで情報収集をしてお値打ちに」。イマドキの買い物術です。女性は翌日、さっそく買った棒とネットを畑に張りました。カボチャの空中栽培を試すそうです。

Seriaの調理器具売場をじっと見つめる男性がいました。18歳の大学生です。

男子大学生(18):
「大学始まって一人暮らししているので、自炊に使えるいいものないかなと思って」

今年2023年から一人暮らしを始めていて、安くて便利で使いやすいキッチン用品を100円ショップで揃えているといいます。

この大学生は、事前にTikTokで調べてから購入していました。今や100円ショップでの買い物に、SNSは欠かせないツールになっています。

この日、注目していたアイテムは、ふわふわの卵かけご飯が作れるという便利グッズでした。

男子大学生:
「卵を落として、白身が下に落ちるんですよ。バーで上下して、メレンゲ作って…。おいしそうだなと思って、やってみようと」

買ってさっそく使ってみたところ、おいしい朝ごはんができたということです。

■家計にも嬉しい…子供が好きなキャラクターグッズも100円ショップで

 小さな女の子と一緒に来店していた母親は、2人で弁当箱の売場を見ていました。

女の子の遠足の行事に使うために来店したといいます。10種類以上が並ぶ中、女の子が決めたのは、人気キャラクターがデザインされた弁当箱でした。

母親:
「ディズニー(キャラクター)のものがいっぱい置いてあるので、安く手に入るし」

一般の店では値が張りがちなキャラクターグッズも、100円ショップはお値打ちです。子供にも家計にも嬉しい買い物術です。

弁当箱購入後、お弁当を試作。

女の子は「かわいい!」とご機嫌だったということです。

■孫も満足のクオリティ…ザリガニ捕獲のために祖父は急遽「網」を購入

 レジに網とカゴを手にした軽装の男性(68)がいました。

孫たちとザリガニ捕りを楽しんでいたところ、使っていた網が小さかったため、急遽この店で網を購入したということです。

男性に同行すると、孫はおじいちゃんに買ってもらった網で、早速ザリガニを捕り始めました。

Seriaで100円で買った網で、見事ザリガニを捕まえていました。

8歳の孫:
「網がなくて全然つかめなかったから、(網が)長くてすぐとれた」

男性:
「今の100円ショップの品はすごく丈夫じゃないですか。100円程度の価値じゃないですよ。(孫が)喜べばいいです。100円でも200円でも」

■観察と分析繰り返し…ブランド品に遜色ないキャンプ用品は100円ショップで

 カートを使いながら文房具やキッチンペーパーなど、どんどんカゴに入れている女性(32)がいました。女性はキャンプ用品売場の前で止まり、しばらく見ていましたが、結局何も買わないようです。

女性(32):
「まあ、ちょっと見てみるだけ見てみて」

キャンプ用品は“下見”と決めているそうです。

女性:
「(以前)キャンプ用品のブランドと比べて『同じじゃん』っていうようなものをここで買いました」

キャンプのブランド店に2店舗、100円ショップはCanDoにダイソー、ワッツにSeriaと、たくさん回ったといいます。

見た目や機能などをブランドの商品と比較し、それほど変わらないと判断したら100円ショップで買うことにしているということです。

観察と分析に優れた買い物術です。

■数十人のグループLINEで情報共有し手間を省く買い物術

 名古屋から30分かけて、小牧市のこのSeriaまで来たという女性(61)がいました。保冷バッグなど特に変わった商品を買っているわけではなさそうですが、なぜあえて郊外の店舗まで来たのでしょうか。

女性(61):
「郊外に来た方が店舗が広くて見やすい。新型コロナが5類になったからといっても、人が密集していないところで買う」

多少足を延ばしてでも、ゆったり見て回れる店を選んでいました。これも買い物のコツです。

そして買い物には、友人とのグループLINEも活用していました。

女性:
「情報交換はいつも。お友達同士で『あそこにあったよ』『じゃあ買っておいて』『今ここにあるよ』とかLINEで」

いい商品があれば友達の代わりに買ってあげたり、逆に買っておいてもらったりして、買い物の手間を省いているということです。

女性:
「『お皿を探している』っていう情報が、グループLINEで来たので」

グループLINEには数十人がいます。幅広く情報を集め、欲しいアイテムを確実に手に入れるという買い物術です。

これまでにはグループLINEを利用して、どんなアイテムをゲットしてきたのでしょうか。自宅を訪ねると、グループLINEで友達から頼まれて購入した17枚のお皿がありました。共有された情報は「白いお皿」だったはずですが、あったのは絵が描かれたお皿でした。

女性:
「これ、ハイブランドのものをちょっと真似して、お友達にシェアして描いてもらって」

依頼した友達が購入のお礼に、お皿に絵を描いてプレゼントしてくれたといいます。

これまでにはグループLINEで、透明のボトルやレッグウォーマー…。

トレンドのミニバッグに、マスキングテープなどを買っていました。

女性:
「相手の方もしてくださるし、こっちもじゃあ今度こういう感じでっていう、ウィンウィンみたいな思い。コロナの時は特にそれが、すごく大事なことでした」

友人と思うように会えないコロナ禍の中、グループLINEを使った100円ショップの情報交換が心の支えになったといいます。

女性:
「思いのキャッチボールみたいな感じかな。その一つのアイテムとして、Seriaの100円の商品があったかな」

2023年5月30日放送