11日、史上初の八大タイトル独占を達成し「藤井八冠」が誕生しました。藤井八冠の地元・愛知県瀬戸市は歓喜に沸き、スーパーで特売セールが行われるなどお祝いムードです。

 対局は、終盤まで劣勢に追い込まれていましたが、永瀬王座の一手で一気に形勢が逆転し勝利しました。前人未到の「八大タイトル独占」を達成し、藤井聡太八冠が誕生しました。

 地元・瀬戸市の「せと銀座通り商店街」では、用意していたくす玉が割られ、お祭り騒ぎの大歓声です。

【動画で見る】藤井八冠が誕生…前人未到の快挙に地元の愛知県瀬戸市はお祭り騒ぎ “8割引”のA5ランク飛騨牛は即完売

男性:
「感無量×8、“八冠無量”という。こんなに早くこの日が来るなんて思わなかったです」

 名鉄尾張瀬戸駅前では偉業達成を報じる号外が配られ、記念すべき紙面を手にしようと多くの人が殺到しました。

男性:
「やりました!藤井さんがやってくれました」

 藤井八冠が打ち立てた金字塔に、人々の顔には笑顔が広がっていました。

 藤井八冠は対局翌日の12日朝、いつもと同じ穏やかな表情で会見に臨みました。

藤井八冠:
「(八冠を)実現できたのも、まだまだ実感が湧かないというのが正直なところではあるんですけど。まだまだ伸びしろは、改善の余地は多いかなと思っているんですけど。どうすればより実力を高めていけるのか、しっかりと考えていきたいと思っています」

 瀬戸市では、一夜明けた12日もお祝いムードです。

 名鉄尾張瀬戸駅前の飲食店などが入るビル「パルティせと」では、“祝八冠”と書かれた紅白餅を無料で配布しました。400個を用意したものの、15分ほどで全てなくなったということです。

 11日にくす玉を割るなどして大盛り上がりだった「せと銀座通り商店街」では、12日も改めてくす玉を割っていました。

 他にも、商店街の人たちが手作りした、藤井八冠の似顔絵と“八冠”の文字が書かれた「八冠バッジ」が配布されていました。

 瀬戸市内のスーパー「新鮮市場いせや」では、オープン2時間前から行列が出来ていました。

 先頭に並んでいた男性は、午前3時から並んだということです。

先頭に並ぶ男性:
「3時くらいから(並んでいる)。興奮が冷めやらなくて。地元の人間としてはこの上ない喜びというか、瀬戸の誇りなんで」

 並んでいた人たちの目的は、藤井八冠誕生を祝う「出血覚悟の大セール」です。

 通常100g1800円のA5ランクの飛騨牛が、「8割引き」の360円で販売されます。

 1本298円のエビフライは「88円」。1パック261円の卵に至っては「8円」です。

新鮮市場いせやの福丸明男社長:
「これはかなり覚悟を決めています。(これまで)お祝いを派手にやってこれなかったので、今回は前人未到の八冠ということで盛大に」

 店はいつもより15分早くオープンすると、お客さんが続々と店内へ入っていきました。目玉の飛騨牛は、オープンから1時間も経たずに完売しました。

 先頭に並んでいた男性も、お目当ての飛騨牛を購入できました。

先頭に並んでいた男性:
「すき焼きあたりですかね。(会計は)4500円ちょっと。21歳の青年がこれだけの人を、瀬戸を盛り上げて、人を呼び込んでくれて嬉しいかぎりですね」

新鮮市場いせやの福丸明男社長:
「ここまで並んでいただくことはなかなかないもので、嬉しいですね。藤井八冠のおかげですね。本当におめでとう、ありがとうです」

 藤井八冠は12日の会見で、「振り返って前に進んでいきたい」と抱負を述べました。

藤井八冠:
「勝った時も負けた時も変わらずモチベーションを保つということが大事なので。今回も何かご褒美をということはなくて、この王座戦をしっかり振り返ってまた前に進んでいけたらと思っています」