寿司居酒屋の「や台ずし」などを展開するヨシックスフーズが2022年12月、名古屋市東区に高級ラインの「赤萩 鮨 玉鋼(たまはがね)」をオープンした。インバウンドの客を取り込もうと始めたが、高級感がありながらリーズナブルに楽しむことができると地元の客にも人気だ。

■リーズナブルに高級感を味わえる「玉鋼」

「赤萩 鮨 玉鋼」は2022年12月16日、名古屋市東区筒井にオープンした。店内はカウンター、小上がり、個室1部屋とコンパクトになっている。

落ち着いていてカウンターが中心の高級感がある空間で、旬な食材を使った寿司や天ぷらなどをリーズナブルに楽しむことができ、接待やハレの日にも十分使えそうだ。

■おすすめの8000円コースで得られる高い満足度と満腹度

 メインはコースでの提供で、4000円の鮨セットから25000円の特別コースまで6種類があるが、店のおすすめは8000円のコースだ。旬の魚も使った刺身や寿司のほか、焼物や蒸物など9品あり、質も量も満足度が高い。

10月18日のメニューは、先付が「里芋味噌和え」「桜海老木の子お浸し」「海鮮ユッケ」。椀物が「ずわい蟹の小丼」。

刺身が「鰆(さわら)」「本鮪」「鮃(ひらめ)」。蒸物が「茶碗蒸し」、寿司が「真鯛」「〆鯖(しめさば)」「海老」「帆立」「本鮪」「穴子」「とろたく巻」。

焼物が「合鴨ロース」。

箸休が「水雲(もずく)」「玉子焼」「浅漬」、汁物が「味噌汁」、デザートが「季節のアイス」と、ボリュームもしっかりある。いまの季節のアイスはさつま芋だ。

寿司だけでなく「天ぷら」も楽しむことができる8000円のコースも人気だという。

ドリンクも生ビールやハイボール、ソフトドリンクはもちろん、ワイン、日本酒、焼酎などがあるが、日本酒や焼酎は一部のボトルがリーズナブルだ。

■運営するのは「や台ずし」のヨシックスフーズ…新業態始めた理由

 店名の「玉鋼」とは日本刀を作るのに必要な鋼のことで、この素材を刀鍛冶が渾身の力を込めて刀に作りあげるように、和の食材を絶品の日本料理に仕上げるという思いが込められているという。

店を運営しているのは名古屋市東区が本社で、寿司居酒屋の「や台ずし」や低価格居酒屋の「ニパチ」などを展開するヨシックスフーズだ。ヨシックスフーズではかねてから高級路線の新業態を検討していて、新型コロナの影響が落ち着いた2022年12月に玉鋼をオープンした。

美味しい寿司をリーズナブルに提供できるのは、や台ずしで日頃から多くの食材を仕入れている「スケールメリット」活かした仕入れ力や、居酒屋で得た店舗運営を反映することで効率化できているためだという。

店内には外国人の客を意識して、刀の生産で知られる岐阜県関市の刀匠が作った本物の日本刀も展示されている。

店主の市来隆司さんは、高級寿司店にある様な堅苦しさを気にせず「ちょっとしたご褒美やお祝いの時に気軽に店に足を運んでほしい」と話している。