いわゆる「大麻グミ」を食べて体調不良を訴える人が相次いだ問題で、厚生労働省の麻薬取締部が21日、店舗の立ち入り検査をしました。「HHCH」について22日、厚生労働省が正式に「指定薬物」に決定しました。「HHCH」はどんなものなのでしょうか。

 大麻に含まれている成分は「THC」といい、幻覚作用などを引き起こし、大麻取締法などで規制されています。

 指定薬物とあるのは「THC」に似せた化合物の「THCH」などで、医薬品医療機器法で規制されています。

 化学式で大麻の「THC」と指定薬物の「THCH」、大麻グミの「HHCH」を比較してみます。

「THC」と「THCH」は、棒のようなものの先っぽだけが違います。「THCH」と「HHCH」は一緒に見えますが、この棒のようなものがあるかないかだけの違いで、かなりよく似ています。

「HHCH」などは、大麻の成分に似たものを合成して作られたもので、構造も似ています。

 この「似ている」ということが専門家は危険なポイントだといいます。名古屋市立大学薬学部の粂和彦教授によりますと、今回の「HHCH」と似た別の化合物は、知識があれば作り出すことができるといいます。そのため、1つを規制してもまた別の物が生み出される「いたちごっこ」は続くということです。

【動画で見る】食べるのは「人体実験と同じ」大麻成分に似た化合物“HHCH” 専門家が指摘する「似ていること」の危険性

 こうした化合物の危険性については、「大麻グミなどは、危険か危険じゃないかすら分からない。使用することは“人体実験”と同じ」と指摘します。

 正規の医薬品と違い科学的な知見もなく、人によっては副作用が出る可能性があり、「危険」ということです。