平均年齢が70歳を超えている岐阜県下呂市の野球チームが28日、兵庫県西宮市の甲子園球場で「おじいちゃん甲子園」に出場し、“球爺”がはつらつプレーを見せました。

 下呂市のグラウンドで野球の練習をする大人たち。

 参加しているのは全員が「おじいちゃん」です。

男性:
「71歳やで、おおかた50年くらい(野球を)やっとる」

75歳の男性:
「後期高齢者でございまして、75歳です。やっぱり腰が痛いですね」

 彼らは「還暦野球下呂クラブ」のメンバーで、チームの平均年齢は70歳を超えています。

【動画で見る】平均年齢は70歳超え…高齢者野球の全国大会「おじいちゃん甲子園」生涯現役の“球爺”たちがはつらつプレー

 チームの監督を務めるのは、77歳の熊崎勉さんです。

 還暦野球の最大の敵は。

熊崎監督(77):
「若い時はスライディングしたり守備で転んだりしても、そんなにケガせんのですけど。この年だとすぐ大ケガというか、かなり重傷で1年を棒に振るようなケガになってしまいます」

 キャッチャーの村山剛弘さんは71歳です。

村山さん(71):
「キャッチャーは割と動くもんで、そんなに苦にならんですね。外野行くと突っ立っとるもんで、足がしびれてきたりする。それだからキャッチャーの方が楽」

 チームは今回、通称「おじいちゃん甲子園」に出場します。全国各地で行われた予選を突破し、最後の出場枠をつかみました。

 28日未明に下呂を出発し、およそ6時間をかけて聖地・甲子園に到着。

 エースで74歳のキャプテンの古谷昭三さんは今回、選手宣誓の大役を任せられ、開会式で緊張の舞台に立ちました。

古谷さん:
「宣誓、我々選手一同は、正々堂々と楽しくプレーすることを誓います」

 そして、いよいよ初戦。相手は三重県の「久居クラブ」で、東海地方同士の対戦となりました。

 下呂クラブが先攻で、初回、いきなり2塁打でチャンスを作りますが、後続が倒れ先制とはなりません。

 先発はエースでキャプテンの古谷さん。しかし、強烈な打球にセンターの岩佐さん(67)が追いつけず、ボールを必死で追いますがランニングホームランとなり、先制点を奪われました。

 それでも、下呂クラブは守備で魅せました。セカンドゴロに、リリーフピッチャーの岡崎さん(64)がナイスカバー。

 反撃ムードが高まりますが…。

事務局の人:
「終わりです!靴をはきかえて下に行ってください」

 プレイボールからまだ30分しか経っていませんが、出場チーム全てが甲子園で試合をするために設定された特別ルールで、残りの60分を翌日ほかのグラウンドで開催します。

村山さん(71):
「焦った焦った、時間ばっか気にして」

 30分間という限られた時間でも、甲子園でプレーができた喜びは高校球児たちと変わりません。

熊崎監督(77):
「まだチャンスあるで、明日。今夜どえりゃあ飲ませて緊張をほぐさんとダメだ。(Q.甲子園でのプレーは?)最高。今夜はそれだけで盛り上がると思います」

 生涯現役。甲子園球児ならぬ“球爺”となった下呂クラブの選手たちは、試合も熱意もまだまだ元気です。

 そして29日、残りの2回のウラ・1アウトから試合を行いましたが、12対4で敗れました。勝った久居クラブが次の試合に進みました。