政治資金パーティーの裏金問題を巡り、14日、自民党安倍派所属の閣僚4人が辞任しました。波紋はさらに広がっています。またキックバックを受け取った疑いがある現役議員や、秘書が取材に応じ、実態を打ち明けています。


 14日朝、自民党・安倍派所属で衆議院愛知7区選出の鈴木淳司総務大臣は、大臣の辞職願を提出しました。

鈴木淳司総務相:
「私自身の問題ではなくて、とにかく清和(安倍派)としてはここはしっかり身を引いて、やっていかなければいけないなと思っています」

 その後の記者会見でも、自身へのキックバックについては否定しました。

鈴木淳司総務相:
「いわゆる還流(キックバック)という問題について、私はそういう意識も発想もなかったものですから。清和(安倍派)の人間として引き続き閣内にとどまることは、国政の遅滞を招くと思いますので、そういった面ではこの機会に身を引いた方がいいと思ったわけでありまして」

 2023年9月の初入閣からわずか3カ月での交代に、地元・愛知県瀬戸市の事務所では…。

【動画で見る】安倍派議員秘書「貧乏事務所が裏金作って何の意味が…」自民党の“裏金疑惑” 議員個人の関与否定する声も

秘書の三治敦司さん:
「総務省は所管する範囲が広いので、もう少し今までやってきたことの中でも変えていきたい部分があったかもしれないので、そこまでやり切れずというところではあるんですけれども、それを言っても仕方ない話なので」

 秘書も、短期間での辞任に落胆の色を隠せません。瀬戸市民は…。

40代男性:
「瀬戸市から大臣にせっかくなったのに、3カ月で更迭されちゃうのは…」

70代女性:
「すごく期待していたから残念ですね」

別の70代女性:
「お金のことだからね。やっぱり一掃しないと」

 安倍派の資金集めパーティーの裏金を巡っては、近く東京地検特捜部の強制捜査が予想されますが、安倍派の議員に聴取を要請するとみられています。

 とりわけ、高額なキックバックを受け取った疑いが持たれているのは、愛知3区を地盤としている池田佳隆衆院議員。

 岐阜県選出の大野泰正参院議員です。

 大野議員は13日、「捜査に協力して、一つ一つ丁寧に皆さまにご説明できる時が来ましたら、しっかりと説明をさせていただきたい」と話していましたが、13日夜、羽島市内で取材に応じた秘書は…。

Q.どれくらいのノルマがありましたか?
大野参院議員の秘書 高橋秀明さん:
「100万ぐらいだと思う。だから50枚ということですよね…だったと思います」

Q.それは東京と岐阜を合わせてですか?
高橋さん:
「合わせて」

Q.ノルマ以上に売られていましたか?
高橋さん:
「そうですね。記載されていないことが問題になっているので、その辺が僕もよく分からないです。なんで載せてないのかというと、たぶん派閥からの指示だと思うんですけどね」

Q.何に使いましたか?
高橋さん:
「うちらみたいな貧乏事務所がね、裏金作って何の意味があるのかという気がしますよ。だって車も新車が買えないんですから。まして僕らは給料が一番安いですけど、それを払うのが大変ということはよく事務員から聞いていますので。やむを得ず、派閥の流れじゃないですかね、おそらく」

 宮澤防衛副大臣も13日、裏金疑惑の実態について言及しました。

宮澤博行防衛副大臣:
「『収支報告書に記載しなくてよい』という指示がございました。はっきり申し上げます。『しゃべるな!しゃべるな!』これですよ。しっかり管理していた。やましい事なんか、不記載はありますけれども、使途において、やましい思いで使っている人なんかいないはずです。だから早く説明して、身の潔白を証明したい。多くの議員がそう思っていると思います」

 安倍派を巡っては、2022年のパーティーでキックバックした資金を「議員個人の収入として収支報告書に記載してほしい」などと、要請した疑いがあることがわかり、東京地検特捜部は近く強制捜査に乗り出す方針です。