4000万円以上のキックバックがあったとみられる愛知3区が地盤の安倍派・池田佳隆衆院議員が“雲隠れ”しています。地元市議からは「呆れて言葉もない」との声も聞こえてきました。

 15日朝の閣議で、時折、笑顔も見せた岸田総理。安倍派抜きの内閣がスタートしました。

林芳正官房長官:
「(岸田総理は)総理総裁として、政治の信頼回復に向けて、自民党の体質を一新すべく先頭に立って取り組んでいくと」

 大臣の業務を引き継いでいたのは、14日に辞任した愛知7区選出で安倍派の鈴木淳司前総務大臣です。引き継ぎ式の直前に、緊急会見を開いていました。

【動画で見る】地元市議「呆れて言葉もない」自民党安倍派・池田佳隆衆院議員の“雲隠れ”続く 4千万円超のキックバックか

鈴木淳司前総務相:
「対象となります2018年から2022年の5年間でありますが、総額60万円が派閥から還流されていることが分かりました」

 大臣を辞任した14日まで、キックバックは受けていないと話していましたが、確認を進めた結果、パーティー券のノルマを超えた分について、派閥から5年間で60万円を受け取っていたことを明らかにしました。

鈴木淳司前総務相:
「秘書が派閥から現金で受け取りまして、その都度私に報告の後、事務所で保管していたものでございます」

 その上で「ノルマを超えた分が派閥から“活動費”として自動的に返金されたもので、裏金という認識はなかった」と主張しました。

鈴木淳司前総務相:
「(自分の事務所では)大きな巨額のお金が動いていることは全くないので。売り上げがノルマ分を超えていれば自動的に(返金が)くるし、(ノルマを超えて)なければ自分で払うし。私の事務所はこれが事実です」

 今後、収支報告書所を修正する考えを示しました。

 釈明をする安倍派の議員がいる一方で、愛知3区を地盤としている、安倍派の池田佳隆衆院議員の事務所玄関にあるホワイトボードには、「留守にしております」と書かれていました。

(リポート)
「池田佳隆議員の事務所前です。開所時間の午前10時を過ぎましたが、事務所には誰も姿を見せず、ひっそりと静まり返っています」

 名古屋市天白区にある事務所では、秘書も姿を見せず、ひっそりとしたままです。

近所の人:
「(雲隠れは)それはやっぱりまずいと思う。どっちにしても説明せないかんもん」

 池田議員の消息を巡っては、取材の要請に対して「刑事告発を受けている事件であり、事実関係を慎重に調査・確認し、適切に対応して参ります」とのコメントを寄せただけです。

 公の席に姿を見せないのは「体調不良」と説明しています。

「いつから体調不良で休んでいるのか」と池田議員の秘書に問い合わせたところ、「そちらでお調べください」との回答がありました。調べたところ、少なくとも12月5日の衆議院本会議から“雲隠れ”となっています。

 池田議員と連絡を取れないのは、支援をしてきた地元の議員も同じです。天白区選出の県議会議員・須崎幹県連幹事長は…。

Q.コンタクトは取られている?
須崎幹県連幹事長:
「全くしておりません。つながらない」

 自民党愛知県連の幹部でさえ、所在がつかめない状況でした。

 自民党の市議会議員は…。

<市議会議員>
「あきれて言葉もない。何やってんだと思う。もう今更遅いよ、終わりだ。雲隠れはないわ。もう一緒にはやっていけない」

<別の市議会議員>
「あいつも一生懸命売っとるんだと思うよ。言われたままにやったんだと思うよ。たくさん売れたからこうなっちゃったんじゃないの?そう信じたいよね」

 4000万円以上のキックバックがあったとみられる池田議員が、表に出て説明する機会は来るのでしょうか。

 東京地検特捜部は、派閥を取り仕切る事務総長経験者を含めて数十人規模で日程を調整したうえで、近く一斉に聴取を行う予定です。