元日の夕方、石川県で最大震度7を記録した地震では、名古屋でも大きな揺れを感じ、東海3県各地に影響が出ました。地震発生から4日目を迎え、被災地を支援する動きも広がっています。

 震度5弱を観測した飛騨市では、カメラマンが取材を終えたところで大きな揺れが起きました。

男性:
「(Q.今かなり揺れましたね)震度5ですね。いやーもうすごかったです。建物倒れると思いましたよ」

 同じく震度5弱だった高山市の一部では、一時断水も発生しました。

高山市の女性:
「困りますね。ご飯とかも洗い物ができないので。あまり続くようだったら実家の方に避難しようかなと」

 名古屋市など広い範囲で震度4を観測し、大垣市では50代女性が揺れで転倒して頭に軽いケガをしました。

 地震から一夜明けた2日には、観光地などで影響が広がりました。

 名古屋と金沢を結ぶ「特急しらさぎ」は午前中、高山から富山に向かう「特急ひだ」は終日にわたりそれぞれ運休し、旅行先を変更する人などで高山駅には切符を買い求める長い列ができました。

【動画で見る】レッドサラマンダーは輪島市に…『能登半島地震』東海3県でも支援の動き 名古屋市は七尾市を“まるごと支援”へ

帰省先の富山から東京へ帰る男性:
「昨晩帰る予定が帰れなかったので、調べて名古屋経由で東京に帰る。ボウリングしている最中にすごい地震がきて、隣のレーンは上からガラスが落ちてきたりとかしていたので」

 多くの観光客が訪れる世界遺産・白川郷近くの道の駅では、ガラスが割れる被害がありました。

(リポート)
「道の駅・白川郷ですが、地震の影響で窓ガラス2枚が落ちたということです」

 白川村でも震度4を観測し、防犯カメラには激しい横揺れで窓ガラスが壊れる様子や、商品が落ちる様子が映っていました。

 東海3県から、被災地に向けた支援の動きも出ています。

 元日の夜、東海北陸道の川島PAには緊急車両が集まりました。愛知県と岐阜県の各地の消防本部からおよそ600人が「緊急消防援助隊」として被災地へ急行しました。

 岡崎市消防本部に配備されている全地形対応車両「レッドサラマンダー」は、1月4日時点では輪島市に配置されています。

 名古屋市消防局の隊員も輪島市内で活動しています。生存率が下がるとされる発生から72時間を迎える中、安否不明の人たちの捜索にあたっています。

 医療関係者も被災地に向かっています。名古屋市昭和区の八事日赤病院からは、災害派遣医療チーム=DMATなど計11人が現地入りしました。

 4日朝、三重県の伊勢赤十字病院からも医師や看護師らが出発しました。

伊勢赤十字病院の医師:
「地域の方の医療だけじゃなくて健康面や心のケアのサポートをしたい。医療人として、その場その場でできることをしたいと考えております」

 今、被災地で特に深刻なのが、断水による「水不足」です。名古屋市からは七尾市や輪島市に向けて、3トンと4トンの給水タンク車2台が出動しています。

 岐阜市の給水車は、羽咋(はくい)市で活動を始めています。

岐阜市下水道事業部の担当者:
「避難所では皆さん水に大変困っていると思いますので、たくさんの水を皆さんにお配りできるように」

 一刻も早い救助や物資の支援が求められていますが、復興に向けた長い支援も必要となります。

河村名古屋市長:
「馳石川県知事にも電話しまして、『(東日本大震災後)名古屋市は陸前高田市での実績があるから、(支援を)まずは七尾市を担当してほしい』と。これは精一杯やりますけど、『そうじゃないところでも、村とか町を応援してほしい』と」

 東日本大震災のあと、名古屋市は岩手県の陸前高田市に対して、医療・福祉サービスや水道などの復旧、町の復興計画の作成まで市役所の機能全体を支援しました。

 今回は七尾市に対して、同じような「まるごと支援」をする方針を決め、すでに3人の職員を派遣してニーズの調査などを進めています。