■茨城ロボッツに連勝し、前半戦を中地区2位で折り返す

シーホース三河は、1月6日・7日に行われたホームゲームで茨城ロボッツにGAME1は93-86、GAME2は87-65で勝利して連勝を3に伸ばした。これで19勝9敗、中地区2位で前半戦を終えた。

ライアン・リッチマンHCは常々、相手チームへのリスペクトを口にし、試合後の会見では必ずと言っていいほど「このリーグで簡単に勝てる試合はひとつもない」と話す。今節まで2勝24敗と苦しむ茨城が相手となるとファンは快勝を期待したくなるものだが、リッチマンHCの言葉どおり、やはりイージーなゲームとはならなかった。
 
特にGAME1は終始リードを許す展開で、3Qを終えた時点で55-65と10点のビハインド。4Qに巻き返し、一時は逆転するも、残り31秒で76-78と茨城に再逆転を許してしまう。後がない場面でシュートを託されたのがジェイク・レイマンだった。レイマンは貴重な同点シュートを決め、試合は延長戦に。

土壇場で追いついたのは三河だが、4Qの展開だけを見ればゲームのクロージングにミスがあったと受け取ることもでき、こうした試合は精神的に厳しいもの。そんなタフな状況の中、全員がハードワークし、三河は価値ある勝利を手にした。GAME2で快勝できたのは、GAME1で学んだことをうまく修正し、コートで表現できたからだろう。

レイマンはGAME1でシーズンハイとなる29得点を記録。前半こそなかなかシュートが決まらずフラストレーションをためていた様子だったが、後半に入るとクラッチタイムで得点を量産。重要なシュートをいくつも決め切った点について、「リッチマンHCは、自分たちが練習でやってきたことを信用してコートに入ろうといつも言っています。厳しい状況でシュートを決めるためのワークアウト、チーム練習を積み重ねてきているので、自信を持って打ちました」と振り返る。レイマンはGAME2でも11得点、チームトップタイの7リバウンドを記録し、連勝の立役者となった。


■自信はあっても慢心しないのが今の三河の強さ

レイマンはNBAで200試合以上の出場経験を持ち、Bリーグで活躍する外国籍選手の中でも実績はトップクラスのプレイヤーだ。彼の落ち着いた発言やプレーから、キャリアに裏打ちされた自信がひしひしと伝わってくる。しかし、おごるような様子は一切なく、チームメイトやスタッフは彼を「真面目のかたまり」と評価する。レイマンについて、通訳/サポートスタッフの小野悠真は「冗談を口にすることもありますが、普段から本当に真面目でストイックです。彼は言葉の重みも知っています。苦しい時間帯に檄を飛ばせるのは彼だと思いますし、口にするからには自分もハードにやらなければいけないと分かっている選手です」と話す。

レイマンにBリーグでプレーすることについて聞くと、10年来の付き合いであるリッチマンHCと一緒にやれることを含めて「So much fun(すごく楽しい)」と言い、「タレントが揃っているリーグだと感じています」と話す。印象的な選手に富樫勇樹(千葉ジェッツ)や河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)、大勢の外国籍選手の名前を挙げつつ、「実際にプレーしてみて、ビッグネームでなくても各チームに優れた日本人選手がいると思いました」と、多くの選手にリスペクトを送る。「このリーグで簡単に勝てる試合はない」と繰り返すリッチマンHC同様、自信はあっても慢心しないところが今の三河の強さであり、中地区2位という好結果につながっているのだろう。

昨年末には家族が来日し、「コンディションの変化はないですが、メンタルの部分ではより幸せに毎日を過ごせています。家族も日本での生活を気に入ってくれました」と笑うレイマン。家族のサポートを受けて、これからさらにパフォーマンスも上がっていくはずだ。優勝を目指すチームのキーマンとして、最高峰のバスケを知る男から目が離せない。

GAME1
シーホース三河 93-86 茨城ロボッツ
三河|17|19|19|23|15|=93
茨城|27|12|26|13|8|=86

GAME2
シーホース三河 87-65 茨城ロボッツ
三河|25|19|28|15|=87
茨城|19|20|12|14|=65